今日紹介するのはflyingshine開発の「ぼくらがここにいるふしぎ」
正直、これがflyingshineと聞いたときは、「え! あのブランドこんなも作るんだ!」とおもってビックリしたもんです。
なにしろ一番有名なシリーズが「クライミライ」シリーズのところですしね。それ以外の単発もコミカルでもどことなく空気の重い作品が多いし。(「かいわれっ」とかね)
こんなコミカルな話が出ていたって言う衝撃は結構大きかったなぁ
あらすじ
5年前、主人公は幼馴染の珠子と未生と一緒に蜃気楼を見に出かけた。
とてもきれいで言葉では表せない景色だった。3人のとっておきの思い出。…しかし、その1週間後、未生が猫を助けようとして他界。以来、蜃気楼を見ることはなかった。
珠子と一緒に通学中、蜃気楼を見た。本当に偶然だった。やはり綺麗なものだと思っていたが、次第に濃霧が発生し前も見えぬ状態。気象学上の矛盾といった疑問も頭の隅に、珠子の手を引き前へ進んでいく主人公。気が付けば珠子の姿が見当たらない。今手を繋いでいるのは亡くなっているはずの未生だった。この状況に驚く主人公。知人にに話をしても何食わぬ顔。逆に、一緒に通学していたはずの珠子が亡くなっている様子。アルバムを見ても、覚えのない写真が並んでいる。これは一体…、見慣れた風景繰り返される日々。だが、何かが違う。
そして主人公は一つの結論に辿り着く。“ココは、今までいた世界とは違う世界なのではないか”と。
総評:67点
シナリオ:B
シナリオは荒川工さん。
荒川工さんの代表作は「あやかしびと」「てこいれぷりんせす!」などです。小説家としても有名な方ですね。
プレイ時間は12~15時間弱といったところです。
キャラ:A+
攻略可能なヒロインは藤臣珠子、深町未生、三雲千秋、草上梓、深町美潮、菅まゆり、深町美潮の七人。
ちょっと特殊で、このゲーム主人公が四人もいます。
真鍋新一、菅圭一郎、川又唯、真鍋徹の四人。
その他脇役として狩野芙子、樹川涼の二人がいます。
みんなコミカルないいキャラをしてますね。
CG:A
原画は真木八尋さん。差分なしで124枚。うち、小窓CGが32枚。
ぼちぼちです。多くもなければ少なくもなし。
脇役をちゃんと描いていた点は評価すべきかも。
小窓は非常に良かったです。
音楽:B+
悪くはないのだけれど、いまひとつ心に残らない曲が多いです。
作品にはあっていました。
まったりとしています。
Vocal曲はOP微妙。ED超微妙。まぁ、そんなとこ。
システム:B
普通に使うシステムはそろっているのだけれど、どうにも使いづらい。
動きが固いというか。ホイール非対応なのも使いずらさの一端かも。
声優さんは上手です。コミカルな雰囲気を非常に出しています。
でも、それがバックログで再生できないのが残念。
あと音楽もスキップ中に音楽が変わると再生できない、スキップ中にクリックするとバグる等のバグがあります。
理想度:A
①主人公 ○
②出会い ×
③テーマ △
④パラレル △
⑤整合性 ○
⑥ヒロイン △
⑦脇役 ○
⑧ハッピーエンド ○
●難易度
低いです。
というか、半固定なので、多分迷わないと思われます。
●攻略オススメ順
半固定です。
珠子→未生であとはご自由にと言った感じっす。
●感想
まぁ、このゲームはぶっちゃけ、このインパクトのデカいパッケージだけで興味を持ったわけですがww
少なくともパッケージの分は裏切られませんでした。
日常シーンは非常にコミカルにポンポン進んでいきますし、テンポよく笑いが入ります。
そのあたりは期待通りでした。
その一方でシリアスシーン~ラストがちょっと全体的にあっさりし過ぎかな?
かるーく終わりますから。
はてなだと「時代が早すぎたのか遅すぎたのかわからないが味わい深い小品。」となってますがまさにそのとおりです。
そして、この作品、作りが非常にめずらしい作品でした。
まず、このお話普通のギャルゲと違ってルート分岐という概念がありません。
わかりやすく図式化すると図1が普通のギャルゲ、図2が『ぼくここ』です。
図1
図2
つまり、このお話は同じ一本の話をどこから見るかが違うだけで話としては一貫してます。
その作り方というのはひじょうに面白かったです。
ただし、内容はメイン二人が上の青っぽい図でほとんど食ってるのでサブは目立ちません。むしろ邪魔? とすら思ってしまいます。
サブヒロインがホントにサブヒロインしてる感じですね。すぐに終わりますし。
ゲームというよりも、小説の本編と外伝みたいなのが近いのかも? 脇役の恋愛話が見たいという要望的なのには答えてますが、このキャラを攻略したいという要望にはこたえていません。
以下ヒロイン別感想(メイン二人のみ)
・未生
ぽやぽや天然まじりのしっかりお姉さん。
矛盾してるようでしてない。お姉さんしてるキャラ。
いきなりはじまっていきなり終わった感じが強かったです。彼女の終わり方はホントに唐突でしたね。
「あれ? これで終わりなん?」て感じです。
ただ、二周すればどういう仕掛けかわかるようになっててそのあたり面白いのかも。
・珠子
元気っ娘の八重歯ちゃん。猫っぽい子。
未生補完編。新ちゃんがあっちの世界に言ってる間、こっちの世界の珠子はどうなったのか、っていうのが主題。
まぁ、未生編と出た結論は変わらなかった感じですかね。
でも、未生編でわからなかったところがわかって切なくなったりもしました。
珠子が終わったら他のヒロインいくまえにもぅ一回未生ルートをやるのもいいかもですね。
あらたな発見があった切なくなったりすると思います。
●最後に
ギャグ(というかコメディ)部分は非常によかったですが、シリアスシーンがあっさりしすぎていまひとつ盛り上がりもなく切ない気持ちになるぐらいであっさりさっぱり終わってしまいました。
テキスト文や漂う雰囲気がいいだけに、そこが残念な作品です。
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