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konata.jpgこれが、逆境だ!
田村ひより男の魂、充電完了!
逆境ナイン?」
kagami.jpg「なんで今更……」
konata.jpg「いや、本屋で衝動買いしちゃってね。やっぱいいね、島本和彦」
miyuki.jpg「というわけで、今回は逆境に見舞われた戦艦です」
kagami.jpg「うまいことつなげた!?」

konata.jpg「さーて、今日は『萌えよ! 軍艦学校 番外編~漢たちのキング・ジョージⅤ世~』と題して、イギリスの戦艦、キング・ジョージⅤ世級についてやるよー。あと、いちいち言うのが面倒だから以下KGⅤって略すからねー」
miyuki.jpg車掌さん、リクエストありがとうございました」
「あと、勝手にタイトル借りてます。すいません」


KGⅤ級戦艦
基準:38030t
満載:42237t
全長:227.1m
全幅:34.2m
吃水:8,8m
出力:110000馬力
速力:27.05ノット
航続力:7000海里/10ノット
兵装:45口径35.6cm4連装砲2基、同連装砲1基計10門、13.3cm連装両用砲8基16門、2ポンド8連装ポムポム砲4基32門、17.8cm20連装ロケット砲(UP砲)4基80門
装甲:舷側374mm、甲板152mm、、司令塔100mm、主砲塔324mm(前盾)バーベット324mm
艦載機 3機(最大)、2機(常用)+カタパルト1基
同型艦:KGⅤ、プリンス・オブ・ウェールズ、デューク・オブ・ヨーク、アンソン、ハウ

田村ひより「イギリスの条約型戦艦っスね」
konata.jpg「KGⅤの特徴といえば特殊な艦型かな?」
kagami.jpg「前部に4連装砲1基、連装砲1基、後部に4連装砲1基だっけ」
「確かに特殊だね……」
「異なる主砲塔を搭載した戦艦は他にはイタリアのカイオ・デュイリオ級、コンテ・ディ・カブール級しか存在しない」
「どうして、こんな特殊になったの?」
konata.jpg「設計段階では14インチ砲4連装3基12門だったんだよ。弾の投射量だけなら、これで充分なんだ」
「じゃあ、どうして?」
konata.jpg「設計途中で弾薬庫の防御不足が発覚してね。おおわらわで第二砲塔を連装砲塔にして浮いた重量で防御を強化したんだよ」
miyuki.jpg「主砲口径は14インチ(=35.6cm)。同世代の他国の戦艦よりも小型です」

各国戦艦比較

艦名 主砲 排水量 竣工年
大和 46cm砲×9 68000t 41年12月
アイオワ 40.6cm砲×9 45000t 43年8月
ヴィットリオ・ヴェネト 38.1cm砲×9 43600t 40年5月
リシュリュー 38cm砲×8 35000t 40年7月
ビスマルク 38.1cm砲×8 41700t 40年8月
KGⅤ 35.6cm砲×10 36700t 40年12月
金剛 35.6cm砲×8 32000t 13年8月

miyuki.jpg「ちなみに、金剛は比較用です」
kagami.jpg「大和が46cm砲、アメリカのサウスダコタ、アイオワが40cm砲、ビスマルクですら38cm砲を採用していることを考えると……」
「船体のサイズも主砲口径サイズが小さいね」
田村ひより「つまり、弱い?」
konata.jpg「単純には決められないけどね」
「主砲の威力は弾頭重量、発射速度、初速、徹甲弾投射量に関係する。それを図にしたのが以下」

  弾頭重量 初速 発射速度 投射量(10分間)
大和 1460kg 780m/s 1.8発/分 236.52t
アイオワ 1225kg 762m/s 2発/分 220.5t
ヴェネト 885kg 850m/s 1.5発/分 119.48t
リシュリュー 884kg 830m/s 2.2発/分 155.58t
ビスマルク 800kg 830m/s 2.3発/分 147.2t
KGⅤ 721kg 732m/s 2発/分 144.2t
金剛 673kg 770m/s 2発/分 107.68t

konata.jpg「これ見ればわかると思うけど、KGⅤは一発あたりの弾頭重量が小さく、砲門数でかせいではいるけど他国に比べて投射量が多いとはいえない」
「つまり、他国の戦艦より威力が落ちる?」
konata.jpg「そうだね。それどころか、イギリスの40cm砲搭載戦艦にすら劣るかもしれない」
kagami.jpg「戦艦ってのはその国で一番強い艦でしょ。どうしてこんな艦作ったのよ?」
miyuki.jpg「それはロンドン条約が関係しているんです」
「ロンドン条約……」
konata.jpg「正確には第二次ロンドン海軍軍縮条約だね」
「第二次?」
konata.jpg「そ。さすがに、各国旧式の戦艦を改装したりはしてたんだけど、そろそろ代艦を作らないと厳しくなってね。1933年に検討されたのがこの条約さ。この条約では①主砲は36cmまで、排水量は35000tまで、②ただしロンドン条約加盟国のうち脱退国が出た場合主砲は40cmまで排水量制限は45000tまで(エスカレーター条項)、という枷があったんだよ」
kagami.jpg「つまり、その条約に則った艦?」
konata.jpg「そだよ。結局は日本が脱退したことによってこの条約は①が無効になるんだけど、慌てて作ったから条約に則らざるを得なかったんだ」
kagami.jpg「つまり、間にあわなかったってこと?」
konata.jpg「そうだね。そして間に合わなかった理由はドイツがビスマルクを作ったからなんだ」
「KGⅤの仮想敵はビスマルクなの?」
miyuki.jpg「そういうことになりますね」
「さっきの表で、KGⅤを12門で比較すれば投射量は173.94t……」
konata.jpg「太平洋方面の化け物には及ばないまでも、欧州方面なら間違いなく最強の戦艦として誕生するはずだったんだ。つまり、『一番強い感』という定義から外れてるわけじゃないんだよ」
miyuki.jpg「砲を40.6cm砲に換装する計画もありましたしね。そのままならば、少なくとも、弱い戦艦にはならなかったはずですよ」
konata.jpg「この辺誤解されがちだけどね」

konata.jpg「さて、艦自体を見ていこうか。イギリスは伝統的に水中防御が欠けている。つまり、魚雷や水中弾(水中に落下してなお弾)に対して弱い」
miyuki.jpg「しかし、それを除けば35000t級の戦艦としては重防御です。アイオワの舷側装甲が329mm、甲板防御が153mmに対して、KGⅤの舷側装甲は374mm、甲板防御が152mmと甲板防御でほぼ同等、舷側装甲で勝っています」
konata.jpg「あ、ビスマルクは舷側320mm、甲板110mmね」
「ちなみに、アイオワは45口径16インチ砲に対する対応防御がなされているから、単純に計算すればこれにも対抗できることになる」
「一万トンも重いアイオワと同じぐらい厚い装甲なんだね」
konata.jpg「まあ、アイオワや大和が傾斜装甲なのに対して、KGⅤはそうじゃないんだよ。傾斜装甲の分だけ同じ厚さのものよりも劣るんだ」
「傾斜装甲?」

  |     |    /     /
  |←→|    /←→/
  |     |    /     /
  垂直装甲  傾斜装甲 

「右が傾斜装甲。横幅を同じにするなら傾斜している方が薄く出来る。つまり同じ装甲厚なら傾斜装甲のほうが防御力としては上」
「それなら、どうして傾斜装甲にしなかったの?」
konata.jpg「傾斜装甲は船体の中が狭くなるんだ。つまり、船体に対する容積が減少する。それに設計や建造も難しくなって時間がかかるようになるしね」
田村ひより「つまりビスマルクに対する対抗艦を作るのに、早く作りたかったってことっスか?」
miyuki.jpg「そうですね」
konata.jpg「それでもその装甲は14インチ砲搭載艦としてはその装甲は充分過ぎるぐらいだね。15インチ砲に対する対応防御ぐらいはあるよ」
kagami.jpg「へぇー、すごいわね」
「防御力過剰じゃないの? その分を攻撃力に回そうとは思わなかったの? 16インチ砲は無理でも14インチ砲を15門、16門積むとか」
miyuki.jpg「主砲というのはあまり多すぎても意味はないんです。積みすぎると射撃統制で苦労しますし、苦労の割には命中率は12門以上ではあまり上がりません。それよりはより大口径の砲を積んで一発一発のダメージを増やしたほうがいいです。」
konata.jpg「それに、ビスマルクに対抗する艦だったっていったでしょ? 14インチ対応防御じゃ意味ないんだよ。是が非でも15インチ対応防御にしたかったのさ」
「でも、イギリスって他にも戦艦いっぱいもってんだよね?」
konata.jpg「あったけど、それらの戦艦は20~23ノットの低速戦艦がほとんどなんだ。もっとも高速なクイーン・エリザベス(QE)級でも25ノットしかない。対してビスマルクは29ノット。つまり、対応できる艦が存在しない。あるのは巡洋戦艦フッドだけだね」
「QEやフッドで対抗できないの?」
konata.jpg「対抗できないって事は無いけどね。でも、ドイツだって他にも戦艦は存在する。それが28cm砲搭載の非力な戦艦でもね。QEだと持ち込めて相打ち。フッドは実際に沈められている。その穴を埋めきれる艦がほしかったんだ。それ自体が弱体になったとしても、ね」
kagami.jpg「つまり、相打ちしてもいいから数が欲しかった?」
konata.jpg「そゆことー」

「そういえば、さっきの表、KGⅤは同じ口径砲の金剛よりも弾が重いね」
konata.jpg「そう、よく気がついたね。前回いったと思うけど、弾頭重量が重いと射程が短くなる代わりにエネルギーの損失が抑えられる。つまり中長距離での威力は上がるんだ」
miyuki.jpg「それに対してビスマルクは同口径の他国の戦艦より弾頭重量が軽いです。これで遠距離を狙うことができますが……」
konata.jpg「あくまで机上の空論、だね。いや、もちろんフッドみたいな例はあるんだけどね。弾頭重量が軽い、つまり、エネルギーの消耗も激しく遠距離で当たっても威力は出ない」
「フッドはまぐれ当たりに加えて、フッドが巡洋戦艦だったことも関係ある。普通はああもうまくはいかない」
「ほえー」
konata.jpg「一方の、KGⅤは最初から遠距離は捨ててるからね。近距離に突っ込んで弾をぶち込む。それでいいんだよ。KGⅤだけでも5隻もいるからね。そういう損害を省みない、ある意味贅沢な戦い方ができるんだ」
「装甲もそれにそったものに……ビスマルクの主砲を受けて戦場にたっていられるものになっている」
「すごいんだねー」
konata.jpg「ま、世の中思うとおりに行ったら苦労しないよね」
「え?」
kagami.jpg「と、いうことは……」
konata.jpg「前回いったでしょ。純粋な四連装砲は故障が多かったんだよ。技術的冒険だったからね。そして、KGⅤの主砲は純粋な4連装砲」
miyuki.jpg「そして、優秀でも35.6cm砲はあくまで35.6cm砲に過ぎません。35.6cm砲に40.6cm砲と同じ能力を持たせようというのは不可能です」
konata.jpg「結局は全ての問題は大砲なんだよ。確かに、KGⅤは優秀な船だし、装甲も厚い。でも装甲では敵は倒せない。戦艦の価値って言うのは大砲にあるんだ。そういう意味で、KGⅤは失敗作といっていいかもしれないね」
田村ひより「一番大事なものを見失わないのが大事なんスね……」
konata.jpg「そゆことだよ。もっとも、二番砲塔の防御の不備さえなければ、KGⅤも太平洋の化け物なみに生まれ変わったかもしれないけどね」
「一個狂っちゃったために全部がだめになっちゃったんだね……」
konata.jpg「何もかもを、ってわけにはいかないけど、一番大事なものを捨てると駄目になるよ。なんでもね。KGⅤの場合は徹頭徹尾主砲が問題だったってことさ」

konata.jpg「うーん、今回は若干難産だったかな」
kagami.jpg「個艦を題材にするとどうしても……ね。でも、これからもがんばる予定なんでしょ?」
konata.jpg「うん、それはね。やろうと思うよ」
miyuki.jpg「というわけで、リクエスト、お待ちしています」

なお、以下のサイトよりアイコンおよび画像を使用させていただきました。
モアイ部さま
アイコン&お絵かき工房
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コメント
無題
速度と主砲口径を考えると、フッドだけじゃ無くて、レパルスとレナウンもビスマルクとティルピッツを捕捉出来ると思うのだが?
【2008/07/22 03:24】 NAME[沖田豊] WEBLINK[] EDIT[]
Re:無題
>速度と主砲口径を考えると、フッドだけじゃ無くて、レパルスとレナウンもビスマルクとティルピッツを捕捉出来ると思うのだが?
その通りですね;
失念しておりました。すいません。
【2008/07/22 03:37】
無題
>レウナン姉妹
しかし、彼女たちの主砲は15インチとはいえ6門。舷側装甲も9インチ(新造時にいたっては6インチ)しかなく、シャルンホスト相手なら兎も角、ビスマルク相手には辛いかと。
仮にレウナン級を戦力に入れても、欧州各国新型戦艦・改装戦艦群(独4、仏4、伊7)に速力で対抗できるのは3隻だけですから、攻防走で対抗できる戦艦の数を稼ぐのは急務だったかと。
まあ、戦争が無ければライオン級16インチ砲戦艦とかを量産する予定でしたが。
【2008/07/22 23:22】 NAME[きっど] WEBLINK[] EDIT[]
Re:無題
>>レウナン姉妹
>しかし、彼女たちの主砲は15インチとはいえ6門。舷側装甲も9インチ(新造時にいたっては6インチ)しかなく、シャルンホスト相手なら兎も角、ビスマルク相手には辛いかと。
>仮にレウナン級を戦力に入れても、欧州各国新型戦艦・改装戦艦群(独4、仏4、伊7)に速力で対抗できるのは3隻だけですから、攻防走で対抗できる戦艦の数を稼ぐのは急務だったかと。
>まあ、戦争が無ければライオン級16インチ砲戦艦とかを量産する予定でしたが。
フッドもレナウン級も巡洋戦艦でしかないですからね。
だからこそKGⅤの建造は急務だったんですよね。
もっとも急務だったせいで、いまひとつの艦になってしまったわけですが……
【2008/07/25 02:01】
無題
確かにカタログ性能ではKGVクラスは対したことありませんが、船団護衛、機動部隊防御、シャルンホルスト撃沈、ビスマルク撃沈、日本本土砲撃で活躍しています。
戦果で判断するのこそ兵器の真髄ではないでしょうか?
こういう言い方すると在日扱いされそうですが、日本の戦艦は金剛型以外活躍してませんし、大和も戦果ベースでは超駄作です。
結局、妄想火葬戦記でしか活躍できない兵器は超悲惨です。
【2012/01/28 14:42】 NAME[warspite] WEBLINK[] EDIT[]
Re:無題
戦果のみで判断するやり方では、ドレッドノートはたかだか潜水艦一隻を体当たりで沈めただけの凡艦になってしましますよ。
もっとも、当時の私には「間に合った」こと自体が最大の評価すべき点という観点が抜けていましたが。
【2012/03/04 14:09】


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好きな作家さんは藤子・F・不二雄、前田珠子、新井素子、吉岡平、横山信義、林譲二、橋本純あたり。
好きな音楽は海援隊などのフォーク、中島みゆきなどのニューミュージック。あとはLiaさんや新良エツ子さん、じまんぐさん、Sound Horizon(一期、二期両方)、Suaraなど。
歌じゃないのなら地中海風というかラテン風、イタリア風とテクノっぽいのやカントリー音楽。ピアノ音楽も好き。

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