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将棋の好きな友人に聞き、自分でもまた調べたのですが、江戸時代には中飛車は戦法としては下の下策、下手の中飛車とも呼ばれるほどだったそうです。
それを防御として使えるということを発見したのが昭和の松田茂役(当時)七段。
もちろん、当時の将棋界は驚愕しました。
ですが、防御の方法は攻め筋に比べてあまり発展しません。なぜなら定石と呼ばれるものが基本的に攻めだから、既存の防御で対応できるからです。
そしてこの中飛車を攻撃として使ったのが『ご機嫌』こと、近藤正和(当時)五段が考案した『ゴキゲン中飛車』。
近藤五段はこれを多用し、2004年には勝率9割近くという好成績を収めます。
そこから流行、定石となり、現在だと後手で指して平均勝率が四割九分程度だそうです。
これは後手の平均勝率四割七分に比べて高く、現在でも有効な手段となっています。

で、何がいいたいかというと、結局は発想の転換だなーと。
防御の方法は「下手の中飛車」という先入観があったため発見できなかったわけで発見されて驚かれたわけです。
攻撃の方法は中飛車は防御の戦法という認識があったため(この認識は現在でもある)攻撃に転じたときに驚かれたわけです。

よく似た例だと軍艦史にドレッドノートの存在が、アニメ史にエヴァの存在があると思います。
つまり、誰かが思いついてもおかしくなかったのに、誰も思いつかなかった手法、ということですね。
もちろん、方法自体は簡単なものが多いですから多用されます。
それまでベタでなかったのがベタになってしまったのです。
こういうのをあっさりすんなり出来るのが天才の天才たる所以なんだろうなぁ、と思います。
そういう視点で見ると技術史って面白いですよね。
たとえばタイムマシンがあって江戸時代に行ったとして、先祖を殺すなんて野暮なことをせずに、将棋をやって中飛車を使うというそれだけで歴史が確実に大幅に変化するのですから。
技術の転換点ってのはそういう意味でも非常に面白い。

追伸:しばらく更新休みます。実家に帰るので。
ここ三週間ほど、ほとんど休みなしで更新していたのですが、別にポリシーがあったわけでなく、最初続けてしまったので、続けないと負けな気がしていただけなので。
更新頻度が多いと長い記事(軍艦学校やゲームレビュー)もかけないし、今後は今までどおり週1~3回程度の更新頻度になると思います。

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好きな作家さんは藤子・F・不二雄、前田珠子、新井素子、吉岡平、横山信義、林譲二、橋本純あたり。
好きな音楽は海援隊などのフォーク、中島みゆきなどのニューミュージック。あとはLiaさんや新良エツ子さん、じまんぐさん、Sound Horizon(一期、二期両方)、Suaraなど。
歌じゃないのなら地中海風というかラテン風、イタリア風とテクノっぽいのやカントリー音楽。ピアノ音楽も好き。

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