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軍事・ヤンデレ・ギャルゲ・音楽・小説などを勝手に
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konata.jpg「というわけで第四回だよ」
kagami.jpg「前々回は確かドレッドノートの誕生までやったわね」
minami.jpg「ドレッドノートが出現したことによって各国で建造されてた戦艦はあっという間に旧式になってしまった、というところまで」
tukasa.jpg「ドレッドノートってすごかったんだねー」
konata.jpg「そう、確かにドレッドノートはすごかった。そして、これで一番損をしたのはイギリス自身だったんだよ」
kagami.jpg「どうしてよ?」
konata.jpg「それじゃあ、そのギモンを解決するために、前弩級艦の各国の保有数をドン」

(1915年時点での前弩級艦の保有数)
イギリス 42
ドイツ 24
フランス 23
アメリカ 22
日本 16
ロシア 13
イタリア 11
オーストリア=ハンガリー 9
トルコ 3
ギリシャ 2
スペイン 1

konata.jpg「これを見れば判るとおりイギリスは世界一の海軍を誇る国だったんだよ。イギリスの基本方針として『戦艦保有数2位の国と3位の国の合計数ほどの戦艦を持つ』というのがあったぐらいにね。そしてイギリスを仮想敵としていたドイツはイギリスに並ぶくらいの戦艦を持とうとしたわけだけど……まあ、前弩級艦のママだったら、表のとおり無理があるね」
tukasa.jpg「それが弩級艦の出現で……」
konata.jpg「そう、それまでの戦艦は全部パァになって建艦競争はゼロからのスタートとなってしまった。それはドレッドノートをつくったイギリスでさえ例外ではない。それまで絶対優位に立っていたのをわざわざ自分で潰してしまったんだね」
kagami.jpg「なるほど……だから一番煽りを食ったのが当のイギリスってわけね」
konata.jpg「そゆことー。逆に言えばドイツにとっては願っても無いチャンスだったわけだね。DQMとかポケモンあたりで例えるなら、通信対戦でこっちがLv8ぐらいで向こうがLv60ぐらいだったのに、なぜか両方Lv70ぐらいになっちゃったようなものだよ」
yutaka.jpg「強い側にとってはたまったもんじゃないってことだね」
kagami.jpg「逆に弱い側だったら、もしかしたら行けるかもって思うわね」
konata.jpg「それがまさしく当時のイギリスとドイツの状況だよ」

konata.jpg「さて弩級艦はより大きな超弩級艦へとさらに進化をするんだ。といっても弩級艦と超弩級艦の間には前弩級艦と弩級艦ほどの差異はないよ」
minami.jpg「弩級艦構造で主砲口径が34.3cm(13.5in)以上のものを超弩級戦艦という」
konata.jpg「とはいえ、この時期の弩級艦、超弩級艦は大きな問題を孕んでいたんだ。それは攻撃の技術が格段に進化しているのに、防御の技術が日露戦争時の考えと同じだったこと」
tukasa.jpg「??? どういうこと?」
konata.jpg「うーん、そうだねー……ゆーちゃん、ちょっとキャッチボールしよっか。はい」
つ○
yutaka.jpg「え? あ、うん」

てってってって

konata.jpg「こっちにボール投げてー」
yutaka.jpg「わかったー」

ポーン
yutaka.jpg 0b7dc92a.JPG   konata.jpg

konata.jpg「と、これが日露戦争時の砲撃戦。それで」

てってってってって

konata.jpg「ゆーちゃん、今度はここまで投げてー」
yutaka.jpg「うん、よいしょー」

ポーーーン
yutaka.jpga3fd7e81.JPGkonata.jpg

konata.jpg「わかった?」
kagami.jpg「端折りすぎ。わかんないわよ」
konata.jpg「つまりね、遠くから物を投げると物は放物線を描くんだよ」
tukasa.jpg「ふむふむ」
konata.jpg「これをボールをキャッチする側から見ると、お互いが近くにいるときがこう受け取って」
1.JPG
konata.jpg「そして遠くにいるときがこう受け取るんだよ」
2.JPG
kagami.jpg「うん、それは判るわ」
konata.jpg「そしてこれは砲撃戦でも同じことが言えるんだよ。日露戦争時の砲戦距離は5000~10000m、一方第一次世界大戦時は8000~15000m。砲戦距離が1.5~3倍弱にまで伸びたことによって、一時大戦の時には敵の砲弾は横からぶち当たるんじゃなくて、上から降って来るようになったんだ
kagami.jpg「なるほど」
konata.jpg「装甲は大きく分けて二種類あってね。水平線と垂直の垂直防御と水平線と平行の水平防御。第一次世界大戦までは水平防御は重要視されてなかったんだ」
minami.jpg「一次大戦型の戦艦のほとんどが垂直防御(船舷防御)が250~350mm程度あったのに水平防御(甲板防御)は30~80mm程度でしかなかった」
konata.jpg「つまり、さっきのキャッチボールだと近距離しか想定していなかったわけ。ボール……砲弾は横から飛んでくる物だと思っていたから、まさか『降ってくる』なんて思ってもいなかった」
yutaka.jpg「それが……」
minami.jpg「そう。砲の進化によって砲弾が上から……今まで全然想定していなかったところから飛んでくるようになった」
konata.jpg「この欠点が判明したのは第一次大戦中に起きたジュットランド(ユトランド、ジェットランドとも)海戦と呼ばれるドイツとイギリスの海戦でのこと。この海戦は今後何度か出てくるから覚えておいた方がいいよ」
tukasa.jpg「わかったー」
konata.jpg「一次大戦時にはもっと色々判明したんだけど、次回に回すよ。あんまり長くはなしてもなんだしね。とりあえずここまで」
kagami.jpg「すごく中途半端ね……」

なお、今回以下のサイトよりアイコンを使用させていただきました。
モアイ部さま


 

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konata.jpg「大好評! 第三回!」
kagami.jpg「大好評なの?」
konata.jpg「リアル、ネット含めて4人ぐらいには…………小好評あたりにしとこうか?」
kagami.jpg「気が弱いわねー……」

konata.jpg「さて今回は水雷、特に魚雷についてだよ~。といってもそんなに詳しくはやらないけどね」
tukasa.jpg「こなちゃん、そもそも水雷ってなーに?」
konata.jpg「水中で火薬を爆発させて艦船に攻撃を行う兵器のことだよ」
minami.jpg「魚雷(魚型水雷)とか機雷(機械水雷)とかのこと」
konata.jpg「初期の水雷は機雷か外装水雷だったんだよ。機雷っていうのはつまり海の地雷だね。水中に敷設して艦船が接触したり近接したりすると爆発してダメーを与えるんだよ」
tukasa.jpg「外装水雷は?」
konata.jpg「これは、ながーい棒の先っちょに爆弾をくっつけて敵に突っついて攻撃する物でね。南北戦争時代あたりで初期の潜水艇なんかの舳先につけて体当たりをしたりしたんだ」
yutaka.jpg「衝角に似てるね」
konata.jpg「そだね。でも衝角はある程度艦が大きくないと効果がないから。体重20キロの子供が体重150キロの相撲取りにぶつかってもビクともしないでしょ。外装水雷ってのは特に小型艦艇につけられたんだよ」
minami.jpg「重量の破壊力の変わりに爆発で破壊力を稼ぐのが外装水雷」
kagami.jpg「危ないわね……」
konata.jpg「うん、生還率とか洒落にならないくらい低いから、この兵器は魚雷が登場することによって廃れるんだけど、意外な形で復活することになる」
minami.jpg「特攻兵器、伏竜」
yutaka.jpg「特攻なんだ……」
konata.jpg「うん、伏竜は簡易潜水具を身につけた兵士が長い棒に機雷を取り付けたもので敵艦船をついて攻撃するもの。もっとも訓練で事故が多発したりして実戦に投入される前に敗戦をむかえて実戦に参加することはなかったけどね」
hukuryuu.jpg  ← 特攻兵器 伏竜
tukasa.jpg「……」
kagami.jpg「あんまりこういうことは言いたくないけど……頭煮えてるわね……」
konata.jpg「そだね。あんまりこの兵器に関しては言うことないかな。これ以上の発展系もないしね」

konata.jpg「魚雷が誕生したのは1868年、イギリスのホワイトヘッド技師が産み出したんだ。当時の魚雷は速度11ノットで射程600メートルという至って低性能なものだったんだけど、それでも喫水線下にダメージを与える兵器として注目を集めたんだ」
tukasa.jpg「どうして?」
konata.jpg「船ってのは喫水線の上よりも下のほうが弱いからだよ。穴が開いたとき、喫水線より上だったら浮いてられるけど、下だと浸水してあぼーんでしょ?」
kagami.jpg「あぼーん言うな」
yutaka.jpg「砲弾は上からしかこない……一方水雷は喫水線下に確実にダメージを与えられるってことだよね」
minami.jpg「その上魚雷はその場にあるだけの機雷と違って自走できる」
konata.jpg「まさに水中砲弾だねー。日清戦争の時期には25~30ノットで300~500mほどの性能のものが出来る。当時の艦船の性能で20ノットを越す物はほとんどいないから避けれないね」
kagami.jpg「画期的な兵器だったわけね」
konata.jpg「もっとも、そんな至近距離まで近づかなきゃいけないわけだけど。前回言った水雷艇ていうのはこの魚雷を主兵装とする小型艇。日清~日露戦争だと40~120tぐらいかな?」
tukasa.jpg「随分小さいね」
konata.jpg「安価で小さいフネで、高い主力艦を沈めるという考えだったからね。もちろんこんなに小さいから武装は限定されてるし航海性能も最悪で外洋航行なんてとてもじゃないけど出来ない。けど20~30ノットと高速が出せるように作られたんだ」
minami.jpg「当時の巡洋艦が20~23ノット。戦艦が16~19ノット。航海性能が悪いから主に沿岸部で使う」
konata.jpg「といっても勘違いして欲しくないんだけど、この高速性能はどっちかというと逃げるための物なんだ」
tukasa.jpg「どうして?」
kagami.jpg「ヒットアンドアウェイ戦法で高速で近づいて魚雷撃って逃げるんじゃないの?」
konata.jpg「当時の魚雷は機械として未熟で衝撃で壊れる可能性もあったんだよ。だから闇夜にまぎれてこっそり近づいて魚雷を撃って全力で逃げるっていうのが当時の水雷艇の使い方。日清戦争、日露戦争のときも港湾に停泊している戦艦に夜襲をかけるという手段をつかってるよ」
kagami.jpg「限定はされてるけど使える兵器ってわけね」
yutaka.jpg「水雷艇に対する対策はどうしたの?」
konata.jpg「前回『補助砲』ってのがあったの覚えてるかな?」
yutaka.jpg「戦艦についてる7~8cmぐらいの小型砲のことだったよね」
konata.jpg「主砲、中間砲、副砲が全て主力艦に対する攻撃手段なのに対して補助砲は水雷艇なんかに対する攻撃手段なんだ。だからドレッドノート級以降でも廃止されなかったんだよ」
kagami.jpg「懐に入られたときの対策ってわけね」
minami.jpg「ちなみに、一次大戦~二次大戦あたりの「副砲」ってのはこの補助砲の役割で、前弩級戦艦以前の言葉とは意味が違うから注意」
konata.jpg「でも補助砲は艦についてるからね。艦自体は少なくとも海戦の最中は敵の主力艦に対して砲撃を行っている。つまり、補助砲は艦の防衛手段なんだ。一方、水雷艇に対する攻撃手段も生み出された。それが『水雷艇駆逐艦』というもの。のちに単に駆逐艦と呼ばれるね」
kagami.jpg「駆逐艦ね……」
tukasa.jpg「ゲームとか宇宙戦争とかで出てくると一番弱いフネって印象があるよねー」
minami.jpg「強い弱いっていうのは単純には決められない。役割というのがある」
konata.jpg「まあ、あながち間違った印象ではないんだけどね。駆逐艦は水雷艇より一回り大きくて(日露戦争時で250~400t)、主力艦に随伴できる最低限度の航海能力を持ってる。一方、武装は戦艦の補助砲程度でしかない。そして、水雷艇を追いかけることが出来るように水雷艇以上の高速性能を持っている。つまり、水雷艇を文字通り駆逐する艦として生まれたんだよ」
kagami.jpg「イメージとしては攻撃機や爆撃機に対する戦闘機に近いわね」
minami.jpg「そしてのちに駆逐艦は水雷艇としての性質も併せ持つことになる」
yutaka.jpg「どういうこと?」
konata.jpg「水雷艇は外洋航行が出来ないっていったよね」
yutaka.jpg「うん」
konata.jpg「一方駆逐艦は最低限の外洋航行能力はある。そして水雷艇以上に高速性能を持っている。つまり、駆逐艦に魚雷を載せてしまおうと思ったんだ。そしてその目論見は成功したんだ。駆逐艦が魚雷を持ったことによって水雷艇はその艦種すらも『駆逐』されてしまったんだよ」
kagami.jpg「兵器の発展の過渡期にありがちな中途半端な兵器だったわけね」
konata.jpg「そだねー。この手の兵器は他の兵器とかとの統合やより優れた物の登場で廃れる運命にあるわけだよ。前回やった『香取』や『薩摩』のようにね」

tukasa.jpg「次はなにをやるの?」
konata.jpg「次回は潜水艦か一次大戦の戦艦かのどっちかだってー」
kagami.jpg「どっちだよ」
konata.jpg「まだ決めてないんだってさ。ま、気長に待とうよ」

なお、今回以下のサイトよりアイコンを使用させていただきました。
モアイ部さま
lg_banar.gif

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konata.jpg「いや~、びっくりしたね」
kagami.jpg「何がよ」
konata.jpg「とりあえず見てくれ。こいつをどう思う?」
WS000001.JPG

tukasa.jpg「すごく……多いです」
kagami.jpg「のるな、のるな」
konata.jpg「圧倒的ではないか、我が軍は!」
kagami.jpg「いや、それ死亡フラグだから」
konata.jpg「まさかヒット数がいつもの二十倍近くになるとはあたしもさすがに想定してなくてねー……せいぜい3倍か4倍くらいだと思ってたんだけど」
kagami.jpg「でも前回が一回目だったし物珍しさもあったんだから、二回目からが肝心よね」
konata.jpgうぐぅ……酷いよ、祐一くん。プレッシャーかけるなんて」
kagami.jpg「世間ではCLANNADが流行ってるのに今更Kanonネタかよ。てか誰が祐一くんだ」

konata.jpg「前回は近代戦艦が誕生するまでをやったね」
tukasa.jpg「イギリス海軍のロイヤル・ソブリンだったよね」

2432d1a2.png   ←HMS ロイヤル・ソブリン

konata.jpg「そう。前回、説明不足だったけど、旋回砲塔ってのは砲塔自体が旋回するもののこと。それまでは大砲は動くけど、砲塔は固定されてたんだよ」
kagami.jpg「そして、それからは旋回砲塔がスタンダードになるわけね」
konata.jpg「そだね。少なくとも戦艦の主砲についてはそうだよ。ただ、ここからそのまま所謂大艦巨砲主義に繋がったわけじゃないよ」
tukasa.jpg「そうなの?」
yutaka.jpg「大艦巨砲主義って大きい艦で大きい大砲を積んだ方が勝つっていう考えだよね」
minami.jpg「ある意味、当たり前の思想」
konata.jpg「うん。でも、この時代、主砲そのものが比較的重要視されてなかったんだ。もちろん、大砲が強いにこしたことはなかったけどね」
yutaka.jpg「そうなの?」
konata.jpg「例えば、日清戦争のとき……このとき日本に戦艦は名ばかりの扶桑しかなかったんだけど、清は定遠と鎮遠という二隻の戦艦を持ってたんだよ。でもこの二隻は砲撃によっては沈んでいない」

tinen.png  ← 清国北洋水師 戦艦 鎮遠

konata.jpg「1894年9月17日に発生した黄海海戦でも清の北洋艦隊は日本の連合艦隊に対して単横陣で挑んでるしね」
tukasa.jpg「たんおーじん?」
konata.jpg「単縦陣が縦一列に軍艦が並んで航行する陣形なら単横陣は横一列に並んで航行する陣形だよ。ガレー船時代はこの手法が主流だったね」

  ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
       ↑
      単横陣

konata.jpg「単縦陣は後続の艦は先頭についていくだけだから艦隊行動がやりやすいんだけど、それに比べると単横陣は基準となる艦が居ないからやりづらい。その上、前回言ったように横方向に砲撃しようとすれば味方の艦が邪魔になるから砲撃戦をやらかすには不利なんだよ」
tukasa.jpg「じゃあ、どうして清はこの戦法を採用したの?」
konata.jpg「それを説明するには戦史を話す必要があるね。1866年、普墺戦争の時にイタリア海軍とオーストリア海軍との間で海戦が行われたんだ」
minami.jpg「リッサ海戦」
kagami.jpg「オーストリア? オーストリアって内陸国じゃなかった?」
konata.jpg「昔は海に面していて、それなりの海軍も持ってたんだよ。参加兵力はオーストリアが装甲艦7隻、非装甲艦14隻。対するイタリアは装甲艦12隻、非装甲艦14隻」
kagami.jpg「イタリアが有利ね」
minami.jpg「でも勝ったのはオーストリア海軍」
yutaka.jpg「そうなの?」
konata.jpg「うん。で、その時オーストリアがイタリアに対してとった戦術が衝角攻撃なんだ」
tukasa.jpg「衝角って?」
konata.jpg「船首の水線下につけられた出っ張りのこと。これでもって敵に体当たりして沈めるんだよ」
kagami.jpg「随分乱暴ね」
konata.jpg「そうだね。でも、結局この衝角攻撃によってイタリアは装甲艦を2隻失ったんだ。でもオーストリアは非装甲艦1隻が大破したに過ぎない。その非装甲艦にしても、装甲艦に体当たりして逆に大破したんだ。これによって装甲艦の有用性と、そして装甲艦に対して衝角攻撃が有用であるという戦訓が得られたんだ」
tukasa.jpg「へえ」
konata.jpg「で、話を戻すと、オーストリアも単横陣に近い陣形を取っていたんだ。衝角攻撃という手段を最大限に活かすためにね」
kagami.jpg「つまり、清は日本に対して衝角攻撃で挑もうとしたわけね」
konata.jpg「そう。黄海海戦での日本の参加兵力は巡洋艦が8隻、コルベット艦が2隻、砲艦が1隻、仮装巡洋艦が1隻、対する清の参加兵力は戦艦が2隻、巡洋艦が10隻、水雷艇が2隻」
yutaka.jpg「コルベット艦?」
konata.jpg「扶桑みたいな艦と思ってくれればいいよ」
tukasa.jpg「こなちゃん、仮装巡洋艦は?」
konata.jpg「民間船を改造したり武装したりしてとりあえず軍艦にしたてあげたものだよ。水雷艇については次回にでも説明するね」
tukasa.jpg「うん、わかったー」
kagami.jpg「清の方が有利に見えるわね」
yutaka.jpg「結果はどうだったの?」
minami.jpg「清のボロ負け」
yutaka.jpg「どうして?」
konata.jpg「清の敗因……というより日本の勝因はいくつかあるよ。第一に清の錬度の低さ」
kagami.jpg「よりによってそれが第一かよ」
konata.jpg「清の最新鋭の戦艦、定遠と鎮遠が日本に親善訪問……といっても、日本に戦艦は名ばかりの扶桑しかないわけだから軍事的デモンストレーションに他ならないんだけど、そのときに鎮遠の乗員が酒によって死傷者まで出る騒ぎを起したり、飽くまで伝聞レベルの話だけど、定遠の主砲に洗濯物を干してたりしてたらしいから」
kagami.jpg「そりゃまた……」
konata.jpg「第二に日本の艦の速度が清の艦の速度より速かったこと。連合艦隊のほとんどの艦が最大で16~20ノットの速力を出せたのに対して北洋艦隊は14~15ノットだった」
yutaka.jpg「ノットって?」
minami.jpg「海での速度の基準。1ノットは1.852km/h。忘れたときはカレンダーの1日から下の一桁の数字を見ると便利」
konata.jpg「衝角攻撃ってのは相手よりも高速であるほうが望ましいんだよ。相手は当然避けようとするからね」
kagami.jpg「清はその条件を満たしてなかったわけね」
konata.jpg「第三に日本が12~15cm砲の発射速度の高い中口径砲を主要な武器としていたことだね」
tukasa.jpg「清は違うの?」
konata.jpg「中口径砲に関しては日本より圧倒的に少なかった。30cm砲を4門装備する定遠と鎮遠におんぶにだっこだったわけだね」
tukasa.jpg「日本は大口径砲は装備してなかったの?」
konata.jpg「32cm砲を1門積んだ松島、橋立、厳島っていう「三景艦」といわれる艦があったけど、この大口径砲はあんまり役に立たなかった。三景艦の排水量は4000t強しかなかったからね。無茶だったんだよ。例えて言うなら、DQⅦのガボに剣系の武器を装備させるようなものだったんだ」
kagami.jpg「いや、それかえって判りづらいから」
konata.jpg「つまり腕力に見合った武器があるってことだよ。この場合の腕力は排水量のことだね」
tukasa.jpg「どうして中口径砲が勝因になったの?」
konata.jpg「清がヘビー級のボクサーのハードパンチャーで、日本が手数の多いミドル級のボクサーってところだったんだよ。清がはかいのつるぎで日本がはやぶさのつるぎってところかな」
kagami.jpg「またドラクエネタかよ」
konata.jpg「結果として手数の多かった日本の勝利となったんだよ。定遠、鎮遠の2隻の戦艦を沈めることは結局できなかったけど、中口径砲の弾を浴びせて戦えなくさせたんだ」
tukasa.jpg「なるほどー」
konata.jpg「で、長々話したけど、結局日清戦争で戦艦が砲撃によって沈みうるということは証明できなかったんだ」
yutaka.jpg「戦闘能力を奪っただけだったわけだね」
konata.jpg「日露戦争のときまでこの問題は引きずったんだよ。大型艦を沈めるのは衝撃か砲撃かってね。衝撃ってのは衝角攻撃のこと」
kagami.jpg「日露戦争で、となると日本海海戦ね」
konata.jpg「そのとおりー。いやー、かがみんは物分りがいいねー。飴ちゃんをあげるよ」
kagami.jpg「お前はビッキーズか」
tukasa.jpg「おねーちゃん……それちょっと古い」
konata.jpg「まあ、それはそれとして。軍艦史の話だから勝因やらなんやらは省くけど、日本の完勝によって『1万tを超える戦艦であっても砲撃によって沈みうる』ことが証明されたわけ。実際、三笠は証明される前に作られた艦だから衝角があるよ」
kagami.jpg「なるほど。そこから大艦巨砲主義に発展するわけね」
konata.jpg「そう。下に敷島型戦艦(三笠はこの四番艦)以降のスペックを示しとくよ」

  竣工年 排水量 主砲 中間砲 副砲 補助砲
敷島型 1900年 15000t 30.5cm砲×4 なし 15.2cm砲×14 7.6cm砲×20
香取型 1906年 16000t 30.5cm砲×4 25.4cm砲×4 15.2cm砲×12 7.6cm砲×16
薩摩型 1910年 20000t 30.5cm砲×4 25.4cm砲×12 15.2cm砲×8 8cm砲×7~8


kagami.jpg「中間砲以下が明らかにバージョンアップしてるね」
minami.jpg「敷島が30.5cm砲の主砲と15.2cm砲の副砲、7.6cm砲の補助砲しか持たなかったのに対して香取、薩摩は25.4cm砲の準主砲とも呼べる中間砲を有している」
konata.jpg「そう。その上、日本は新たな種類の艦を作ったんだ。それが巡洋戦艦と呼ばれるもの」
yutaka.jpg「巡洋戦艦?」
konata.jpg「前回少し言ったように巡洋艦ってのは海戦では主力の補助の役割をはたすんだけど、この当事の戦艦と巡洋艦の能力を示せば下のようになるんだ」

  攻撃力 防御力 速力
戦艦
装甲巡洋艦
防護巡洋艦
非防護巡洋艦 ×

konata.jpg「詳しくはやらないけど、装甲巡洋艦ってのが一番大事。これは戦艦には及ばないけどそれなりの攻撃力と防御力、そして戦艦よりも速い艦速をもった艦なんだ」
minami.jpg「日露戦争時の日本の戦艦の主砲は30.5cm砲で装甲巡洋艦は20~25cm砲。速力は戦艦が約18ノットに対して装甲巡洋艦が約20~21ノット」
konata.jpg「そして、戦艦と同じく装甲巡洋艦も拡大していく。そして装甲巡洋艦は戦艦並みの攻撃力をもつに至ったんだ。それが筑波型装甲巡洋艦と鞍馬型装甲巡洋艦。この艦は戦艦と同じく30.5cm砲を4門装備しながら20.5ノットの速力が発揮可能な艦になったんだ」
minami.jpg「竣工当事は装甲巡洋艦と呼ばれていたけど、のちに巡洋戦艦という艦種にシフトする」
tukasa.jpg「……あれ?」
kagami.jpg「どうしたの? つかさ」
tukasa.jpg「えっとね……敷島と香取と薩摩のスペックを見比べて思ったんだけど、わざわざ中間砲なんて作らないで主砲を増やせばいいんじゃないのかな?」
kagami.jpg「……確かにそうね」
konata.jpg「つかさ鋭いね。香取型、薩摩型、筑波型、鞍馬型の合計8隻の戦艦はつかさと同じ考えを持つ人が設計した、イギリスの戦艦を竣工したことによって竣工前に旧式艦と化してしまったんだよ。いや、日本だけじゃない。世界中の戦艦がたちどころに旧式艦になってしまったんだ」
minami.jpg「不幸」
konata.jpg「その戦艦の名前は『ドレッドノート』。どこぞのMSじゃないよ」
kagami.jpg「種かよ」

d558e8d8.png   ← HMS ドレッドノート

minami.jpg「ドレッドノート(Dreadnought)は『勇壮無比』とか『猛者』という意味」
yutaka.jpg「そうなんだ」
tukasa.jpg「そんなに優秀だったの?」
konata.jpg「優秀も優秀。薩摩や筑波がスーパーファミコンだとしたらドレッドノートはPS、いや、PS2だね」
tukasa.jpg「そんなに違うの?」
konata.jpg「従来の戦艦は主砲、中間砲、副砲、補助砲という4種類の兵装……というか火砲を装備していたんだけど、ドレッドノートの開発者であるイギリス海軍のジョン・アーバスノット・フィッシャー提督haruhi.gifはこのうち中間砲と副砲を廃止して、それまで4門がスタンダードだった主砲を一気に10門まで増やしたんだよ」
  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\    
 / |||||||   \    /     ○=       \ 
< =○ ● ● ■ ○=   >   < =○ =○ ●  ● ■ ○= > 
 \ |||||||   /       \     ○=       /
  \_______/       \________/

konata.jpg「左がドレッドノート以前の戦艦の図。右がドレッドノートの図だよ。○=は主砲、|は中間砲や副砲、●や■は艦橋や煙突だと思ってね」
kagami.jpg「汚いAAね……」
konata.jpg「こういうのはわかればいいんだよ、かがみん」
yutaka.jpg「右のほうが随分すっきりしてるね」
konata.jpg「副砲、中間砲がないからね。で、これをみればわかるとおもうけど、主砲に限れば片方に集中できる砲力は従来の二倍になってる。つまり、ドレッドノート一隻で従来の戦艦二隻分の力があったんだ」
kagami.jpg「……それってすごくない?」
konata.jpg「だから言ったでしょ。ドレッドノートの竣工によって、世界中の戦艦が旧式になってしまったって。それまでの戦艦の常識が通用しなくなったんだよ」
tukasa.jpg「でも、こなちゃん。中間砲や副砲は役に立たないの?」
konata.jpg「役に立たないってことはないよ。ただ、主砲は中間砲や副砲より射程が長い。中間砲や副砲が役に立つには相手の懐に入る必要があるんだ。でも……」
tukasa.jpg「でも?」
konata.jpg「ドレッドノートは機関も従来より高性能だった。戦艦なのに巡洋艦並みの速力が発揮できたんだ」
kagami.jpg「相手の懐に入るのすら難しくなった、ってことね……」
konata.jpg「その通り。ドレッドノートはものすごいって意味の弩級の由来にもなってるよ。弩はドレッドノートの頭文字の当て字ね」
yutaka.jpg「弩級ってそこからきてるんだ」
minami.jpg「ドレッドノートと同じ設計思想の戦艦を弩級戦艦、それ以前の艦を前弩級戦艦といったりもする」
konata.jpg「ドレッドノートの凄いところはソフト面で飛躍的な進化をしたところにあるんだ。機関を除けば従来の材料でしかない。例えばジェット機とレシプロ機ではそもそもの機構が違うよね? ドレッドノートとそれ以前の艦では機構そのものは変わらないのに、従来の二倍……いや、それ以上の能力をもつ艦になったんだ」
kagami.jpg「凄いわね……」
konata.jpg「ちなみに、フィッシャー提督は弩級戦艦構造の巡洋戦艦も作ったんだよ。インヴィンシブル級巡洋戦艦ってのをね」
kagami.jpg「『無敵』『堅固』って意味ね」
konata.jpg「少し蛇足気味だけど、フィッシャー提督がどうしてこんな艦を考えたのか話すよ。日本海海戦によって各国は多くの戦訓を得たんだけど、その中に「斉射の有効性」というのがあるんだ」
yutaka.jpg「せいしゃ?」
konata.jpg「それまで軍艦の大砲は砲塔ごとに勝手に目標を定めて適時修正して撃ってたんだけど、日本海海戦では艦橋から目標と距離を示して、砲では一切修正しないという方法をとったんだ。これが斉射と呼ばれるものだよ」
minami.jpg「実際に斉射が初めて実戦で使われたのは日本海海戦より9ヶ月前の黄海海戦」
kagami.jpg「斉射ってのは有効なわけ?」
konata.jpg「有効だねー。海戦において砲撃は水柱を見て遠いとか近いとか判断するわけだから、手数が多いほうがいいのよ。そして、その手数にしても、各々の砲塔が別個に撃ってるよりも、一元的にやったほうがどれだけなのか正確に判断できるんだよ」


haruhi.gif「斉射は長距離砲戦においてかなり有効ね」
haruhi.gif「斉射をもっと有効にするにはどうしたらいいのかしら……?」
haruhi.gif「! 主砲の数を増やせばいいのよ!」


konata.jpg「という考えで、ドレッドノートが産まれたんだよ。つまり、主砲が増えたことによって単純に前弩戦艦の二倍の攻撃力なんだけど、斉射という手段を活用することによって二倍以上の能力を弩級戦艦は得たんだよ」
kagami.jpg「弩級戦艦にしても斉射にしても発想の転換だったわけね」
konata.jpg「もっとも、ドレッドノートは設計だけじゃないんだけどね。この設計を有効にする条件に、新型の機関が必要だったんだよ」
yutaka.jpg「どうして?」
minami.jpg「大口径砲を多数持っててもある程度の速力と主砲に見合った防御力が必要となるから」
konata.jpg「砲力と防御力が突出していても、速力が遅かったらただの的になりかねないよ。日清戦争のときの定遠、鎮遠みたいに、ね」
kagami.jpg「そういえば清の敗因に速度の遅さがあったわね」
konata.jpg「優れた設計思想には優れた技術の裏打ちが必要なんだよ」

kagami.jpg「それにしても今回は長かったわね……」
konata.jpg「清の話が予想以上に長引いてね……今回はこれで終わるよ」
tukasa.jpg「次はなにをやるの?」
konata.jpg「次回は水雷、特に魚雷について話すよ」


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kagami.jpg「で、これはなんな訳?」
konata.jpg「いや~、最近、「萌えよ! ○○学校」シリーズが出てるじゃない?」
minami.jpg戦車学校陸自学校空戦学校……」
konata.jpg「そうそう」
tukasa.jpgいかろすぅー
kagami.jpg「いや、そのネタはもういいから」
konata.jpg「で、それに触発された作者が世界史コンテンツ形式でやってみようと思ったわけ」
minami.jpg「安直……」
yutaka.jpg「まあまあ、みなみちゃん」
konata.jpg「とりあえず今日は戦艦が戦艦になるまでを辿るよ」


konata.jpg「まず、作者が何度も言ってるけど軍艦と戦艦を混同しちゃ駄目だよ」
tukasa.jpg「間違いなの?」
kagami.jpg「古代はともかく近代においては確実に間違いよ。バスは大型車だけど大型車はバスじゃないでしょ。それと同じ」
yutaka.jpg「軍艦という大きなカテゴライズの中に戦艦という小さなカテゴライズがあるわけかー」
minami.jpg「ホントは色々規定はあるけど、軍隊で使う船が軍艦だと思ってもらえれば間違いないと思う」
konata.jpg「軍艦の中でも直接戦闘に関わる艦を戦闘艦といったりもするよ。といっても、基本的には戦闘艦しかあつかわないけどね」


konata.jpg「軍用船の祖としてはガレー船だね」
tukasa.jpg「ガレー船?」
kagami.jpg「両舷の櫂で進む船のことよ。といっても帆船と同じように帆がついてるのもあるけど」
konata.jpg「初期の軍船は火砲が発達していないせいで、白兵戦……相手の船に乗りこんで戦う、って方法だったんだよ。この方法なら船舷が低くて喫水が浅いガレー船の方が有利、ってこと」
tukasa.jpg「帆船は?」
konata.jpg「帆船が軍艦として発展したのは16世紀だね。ガレー船から、帆船との性質も持つガレアス船を経てより大きなガレオン船になる。ここではキャラックやキャラベルは省くよ。ガレオン船が廃れたのは火砲が発展したことが大きいんだよ」
tukasa.jpg「どーして?」
konata.jpg「漕ぎ手のぶん大砲やその砲手を増やした方がいいでしょ」
tukasa.jpg「あ、そっか」
konata.jpg「そしてガレオン船は戦列艦に発展する」
yutaka.jpg「戦列艦? 戦艦じゃなくて?」
konata.jpg「戦列艦は戦艦の祖先といっていいね。ワンピースとかでみたことない? 両舷に大砲がずらっとならんでるアレが戦列艦。この時代、最も優れた戦術っていうのは単縦陣だったんだよ」
kagami.jpg「単縦陣っていうのは軍艦が一列に並んで航行することよね」
    ▽
    ▽
    ▽     ↓  進行方向
    ▽
    ▽
konata.jpg「かがみんの言うとおり上の図のようなのが単縦陣。こうすることで、両舷に向けて砲の火力を最大限に発揮することが出来るってわけ。射線上に味方の艦がいないからね。戦列艦は最終的には排水量三千トン超で大砲を100門以上積んだ艦になるんだけど、これとは別の道を歩んだ艦もある。それがフリゲートといわれる艦だよ。戦列艦が戦艦の租なら、フリゲートは巡洋艦の租だね。大砲の数は20~50門と戦列艦より少ない」
tukasa.jpg「どうしてわざわざ弱い船を作ったの?」
konata.jpg「能力が限定されてても数が欲しかったからだよ。一番の理由は植民地だね」
kagami.jpg「遠くにもいける、航続力の長くて安価で沢山用意できる警備艦が欲しかったわけね」
konata.jpg「戦闘においてはフリゲートは哨戒・連絡・通商破壊などの役割につく」
minami.jpg「つまり主力の補助」
kagami.jpg「この辺は後の巡洋艦にも繋がるわね」
konata.jpg「で、この戦列艦なんだけど重大な欠点があるのよ。防御の面で脆弱すぎること。大砲ってのはつまりは爆発物をあつかうわけだから、あまり並べすぎると一発で轟沈、なんて可能性もあるわけ。ちなみにこの時代まで艦はあまり沈まない。攻撃力が弱かったから防御能力が弱くても問題がなかったわけだ」
kagami.jpg「火砲が強力になることによって防御能力を上回ってその結果防御上の問題点が明らかになったわけね」
konata.jpg「で、戦艦、というより装甲艦は船舷に装甲防御をほどこすことによって誕生したわけ。世界初の装甲艦は1859年に建造されたフランスのグロアールだよ」
LaGloirePhotograph.jpg←フランス海軍グロアール
konata.jpg「ただし、この時点でも防御面の欠点はあった。砲がズラっと並んでいることにはかわりないわけだからね。防御しなくちゃいけない範囲が広くなって、個々の砲に対して防御を充分に行えない。この欠点を改良したのが中央砲郭艦といわれるもの。軍艦の中央に搭載砲を集中させる形式」
yutaka.jpg「ちゅーおーほーかくかん?」
\  /
  ○
/  \
konata.jpg「軍艦の中央に上のような砲郭(ケースメート)……装甲で覆った大砲の部屋を配置するんだよ。個々の砲はノの字のように回転させることが出来るから従来の砲よりも広い斜角がとれて、大砲を沢山積んだ艦よりも攻撃能力の面において寧ろ有効に働くね」
kagami.jpg「中央砲郭艦として有名なのはなによ?」
konata.jpg「日本海軍で初めて戦艦になった初代扶桑は中央砲郭艦だよ。ただ、他の列強の排水量の半分以下しか持ってなかったし、戦艦になったのは寧ろ政治的な意味合いが大きいけどね」
tukasa.jpg「そういえば、日本はそれまで戦列艦を持たなかったの?」
konata.jpg「持ってなかったね。これは大名が500石以上の船を作れなかったから。ちなみに500石は水のトン数に直すと約90tだよ」
kagami.jpg「立ち遅れてるわね」
konata.jpg「もっとも、これは大名に限ったことだから、商人たちは許された。実際、1500石ぐらいの船は作られてるよ。といっても、軍艦とは違って商船には適当な大きさってものがあるから余り発展はしなかったけどね。日本においては近代と近世以前の船は分けて考えた方がいいかもしれないね」
yutaka.jpg「それから中央砲郭艦の時代になるの?」
konata.jpg「ところがどっこい、中央砲郭艦の時代は長くは続かなかった。南北戦争が発生することによって装甲艦はついに戦艦へと進化する」
kagami.jpg「1861~1865年の間に起きたアメリカの内戦ね」
konata.jpg「そう。途中経過については違う人がやってるから省くけど、この戦争で活躍したUSSモニターなんかは旋回砲塔だったんだよ。旋回砲塔ってのは、砲郭における砲があくまで砲が動くのに対して、砲塔そのものが回転して動くもの」
USSMonitor1862_2_ws.jpg←USS モニター
tukasa.jpg「随分船舷がひくいねー」
kagami.jpg「というか、不恰好ね」
konata.jpg「進化する途中の艦だからね。その辺は仕方ないよ」
minami.jpg「ちなみに、モニターはその後モニター艦の語源になっている」
konata.jpg「みなみちゃん、よく知ってるね。でも今はモニター艦についての説明は省くよ。とにかく、この戦争で旋回砲塔が有効なことがわかった。これを吟味して1892年に誕生したのがイギリス海軍の戦艦『ロイヤル・ソブリン』だね。これが近代戦艦の嚆矢となったわけ」
fcae9721.jpg←HMS ロイヤル・ソブリン級八番艦 フッド
kagami.jpg「数百年を経てやっと近代的な戦艦が誕生したわけね」
konata.jpg「今日はここまでにしとくよ。次回は弩級戦艦の誕生をピックアップするよ」



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好きな作品は甘でラブでイチャなやつと、ヤンデレ、S・F(少し不思議)と、異形と、大艦巨砲主義なやつ。
好きな作家さんは藤子・F・不二雄、前田珠子、新井素子、吉岡平、横山信義、林譲二、橋本純あたり。
好きな音楽は海援隊などのフォーク、中島みゆきなどのニューミュージック。あとはLiaさんや新良エツ子さん、じまんぐさん、Sound Horizon(一期、二期両方)、Suaraなど。
歌じゃないのなら地中海風というかラテン風、イタリア風とテクノっぽいのやカントリー音楽。ピアノ音楽も好き。

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