数日前から右ッ側に張ってある応援バナー。特に一番デカいやつがあります。
今日はそれのレビューをしようと思います。
シリウスのこいびとどうしですることぜんぶ、ですね。
(ネタバレの大きい部分に関しては伏字にしてありますのでプレイ済み、もしくはネタバレOKの方は反転させてください)
●あらすじ
「俺とつきあってくれ、園生!!」
「うん」
思い切った告白は、最高の形で報われた。
ずっと好きだった女の子と、
今日から俺は、恋人同士。
「私からも――言っていいの?」
学園史上最高の秀才であっても
物静かで人付き合いの苦手な彼女。
だけども、俺との時間を過ごすごと、
花びらがほころびるように少しづつ、
もの柔らかになっていくのがわかるんだ。
手のつなぎ方すら知らない俺たちだったけど、
だからこその、このドキドキ。
「もっと、する?」
教室で、廊下で、校門で、
街中で、部屋で、仲間内で どこだって。
二人、手探りで一つずつ覚えていく。
どんどん深く、甘く、農耕に、丁寧に どこまでも。
恋人同士ですることを、
全部、彼女としていこう。
(オフィシャルサイトより引用)
●評価
総評:95点
ここまで高評価なのにはもちろん理由があります。
このゲームのコンセプトはあとでも述べるようにふたりがひたすら甘々でラブラブでいちゃいちゃな毎日を過ごすのを楽しむゲームで、それ以外の方はお帰りください、というとても癖の強い作品です。
そしてこのゲームは見事にそのコンセプトを満たしています。
コンセプトが合う方は私と同様に高評価になると思いますが(玖羽のキャラクタ性が合わない、という方もいらっしゃるでしょうが)、このコンセプト自体が合わない、という方でしたら本気でお薦めまできません。
シナリオ:A+
ライターさんは田中一郎さん(メイン)、保住圭さん(サブ)。
代表作は田中一郎さんは「魔法はあめいろ?」「はぴねす! りらっくす」など。
保住圭さんは「少女魔法学リトルウィッチロマネスク」など。
プレイ時間は15時間ほどです。
キャラ:S
ヒロインは1人のみです。また、(立ち絵のある)サブキャラも少なめです。
以下登場人物紹介。
・園生玖羽(CV:如月葵)
たった一人のヒロイン。学園きっての秀才で運動能力も高い美少女。一方人付き合いは苦手であまりしゃべらない。しかし、主人公とつきあううちにその性格もまた、どんどん変わっていく。
・世良つかさ(CV:金田まひる)
主人公の悪友その1。快活で饒舌。人望が厚く、クラスの人気も高くクラス委員長を務めている。成績はよくない。
・羽合航路(CV:なし)
主人公の悪友その2。名前のせいで(ハワイ航路)、そのことに関して過剰反応するが、両親にハワイ英才教育を施されており、本人もそれをネタにすることも多い。
・等々力チカ(CV:桜川未央)
主人公たちのクラス担任。小柄で童顔なのもあいまって学生気分が抜けていない。が、生徒からは人気が高い。つかさとはプライベートでも仲がいい。
CG:A-
枚数は差分無しで90枚。
原画はミヤスリサさん。代表作は「炎の孕ませ転校生」「戦場デ少女ハ躰ヲカケル」など。
えっちシーンが多いのは悪くないけど、もう少しデートのシーンや食事のシーンなんかも増やして欲しかったですね。折角同棲という美味しいシチュエーションを選んでいるのですから……
登校シーンなどの差分が非常に多かったのはプラス点です。
音楽:A-
「幸せの種」「二人で朝食を」「永遠のシンパシー」など、ゲームの雰囲気に合った曲が多いです。が、ちと種類が少ない気もします。状況にあってないなと思うこともシバシバ……
fripSide NAO project!による主題歌、「こいびと☆アクセント!!」はポップで明るくとてもいい曲で、ゲームにも凄く合っていました。フルでも聞きたいです。
システム:A+
通常シーンでは特に不都合はありません。あ、でも何もしていないときにポインタが細かく動くのがちょっと鬱陶しいとかとも思ったり。
ただ、濡れ場のフィニッシュに中外選択肢が無く、システムであらかじめ決めておく、というのは好みが分かれるかもしれません。ちなみに、私はあまり不都合を感じませんでした。
起動すると玖羽がタイトルコールするのですが、ゲームの進行度によってその言い方が変わるというのも書くべきでしょう。これはなかなか良かったです。
理想度:S
①主人公 ○
②出会い △
③テーマ ○
④パラレル ×
⑤整合性 ○
⑥ヒロイン ○
⑦脇役 ○
⑧ハッピーエンド ○
●難易度
ありません。
ルートも二つのみ。バッドエンドも無いです。しかも結果が変化するのは後半の一つの選択肢のみです。
●注意点
公式サイトの「作品コンセプト」にも書かれているとおり、これは通常の恋愛ADVのエンディング後を描いた作品です。ひたすら二人の甘々でラブラブでエロエロな日常のみが描かれます。
ツボにはまればいいんですが、必然的にヒロインが一人に固定なので玖羽が合わないとどうしようも無いですし、それでなくても本来の意味での「やおい」(山無し、オチ無し、意味無し)と捉えられるかもしれません。
●感想(ネタバレは一応反転)
甘~い! 甘いよ、小沢さ~ん!
やや古いネタで失礼しました;
でも本当にこんな言葉しか出てきません。
くーりん可愛いよ! くーりん!!
……失敬、テンションが上がりすぎました。
うん、でも本当に可愛い。
ひたすら萌えたい、という人にはオススメです。
ですが、ストーリーが悪いというわけではありません。
むしろ、普通のギャルゲと違いオチを付けづらいというこの状況の中では相当頑張っています。素晴らしいとさえ言えるでしょう。
例えばタイトル画面の絵で玖羽が持っている鍵があるシーンの伏線になっていたりするなどかなり作りこまれています。
ルートは二つ。新婚ルートと子作りルート。
……ええ、もう名前からわかっていただけると思いますのであえて言いません。
それにしても(エンディングでならともかく)ゲーム内で結婚までしちゃうカップルというのは本当に珍しいと思います。
(建前上)登場人物の年齢が十八歳以上というのをここまで活用したゲームを私は寡聞にして知りません。
特記するとしたら子作りルートについてでしょうか……普通の孕み、孕ませゲームとは一線を画します。
ひたすら甘々なのでもちろん、大真面目です。ここまで頑張って(ふたりで)子供を作ろう作ろうとしているゲームはあまり無いのではないかな?
そういう描写が出たときには、学生なのに子供が出来ちゃってどうしよう、みたいな初代金八みたいな展開だと思ったんですが私の見通しが甘かったようです。
結局出来ていないことが判明してがっかりしたり、産婦人科に行ってどうやったら子供が出来るか産婦人科の先生に相談したりとある意味では「産むか産まないか」で悩むより、よっぽど前向きな悩み方をしています。そういうところはかなり好感をもてますし、評価が高い理由のひとつでもありますね。
玖羽はもちろんですが、脇役もいいです。
キャラがいい、という意味も勿論あるのですが、きっちり名脇役をやってますね。
必要以上に出張らず、重要なシーンでは味を出して二人を助ける……これは立ち絵が無い人も、です。(追記、立ち絵がある人と無い人に明確に差があるのもいいですね)
あとこれも言って置きます。
玖羽だけではなく、カップルを見てください。
陽介はちょっと調子乗りな点もありますが、いいヤツでナニよりもカッコいいです。
玖羽とカップルであることに誇りと自信を持っているといってもいいでしょう。
さっきいった子作りルートでも玖羽が「赤ちゃん出来たかも」と言ったシーンで少し暗い感じの音楽を流しておきながら、陽介が「でかした――――!」なんて叫んでいるシーンなんかは、「こいつ男だわ……かっけー」と思いました。
「これは『ふたり』の話なんだなァ……」と思うエピソード(同棲、結婚までのイベント、新婚旅行先での老夫婦、十二年後の年賀状など)も多いです。
ヒロインが一人、という点は合わなければどうしようもないという欠点もありますが、コンセプトそのものは悪くなく、今後もこういった作品が出てくることを期待させていました。
●最後に
「ギャルゲをやるときは濡れ場は飛ばす」という人も多いようですが、
濡れ場シーンを含めて楽しんでください。
このゲームは隅から隅まで楽しむゲームです。
個人的な話になるのですが私はあまりキャラ性(姉キャラとか委員長キャラとかクールとかそういうの)にこだわらない模様。
どちらかというと「状況」を楽しむのが好きみたいです。
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