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軍事・ヤンデレ・ギャルゲ・音楽・小説などを勝手に
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もう、やってから一月は以上たちますが、体験版の感想でも。

しくっちまったかなぁ……って感じっす。正直。

てーか、あれじゃーマナマナしかいねーもん。いや、君望やってねーけどさー。

ヤンデレは支配と依存から成り立つという意見がありました。

私はこの意見には賛成であり、反対でもあります。
ヤンデレにおける支配は依存ゆえの支配ではないかと思うのです。
つまり、そこにある支配は、それに依存するが故に支配したがる。

ちなみに、これを書いているときに友人に「姉、ちゃんとしようよっ!」の瀬芦理バッドはヤンデレじゃないのか、という意見がありました。
私にとってあのバッドエンドはヤンデレではありません。
ヤンデレの支配……つまり殺人による独占は依存ゆえなので、依存が必要ないならばそれはヤンデレではないのです。
菓子を他人にやるぐらいなら無理でも(それこそ死んでも……比喩でなく)自分で全部食ってやるというのがヤンデレにおける支配。
彼女(瀬芦理)のは菓子を他人にやるぐらいなら自分でも食えなくする(捨てる)ということなのです。

『やんデレ!』ですが、あれじゃー、支配の面がデカ過ぎるというか。依存が少なすぎるというか。依存が見えないんですよね。
いや、まあ、ブランド名聞いたときから嫌な予感はしてましたが。女性上位で有名なブランドだし。
残念ながら……残念でした。
まあ、最悪、流血=ヤンデレになっていないだけマシっちゃあマシですが。

むしろ、ヤンデレ以外の面(スレ違いの恋とか! 脇役とか!)の方が魅力的そうというのは……。
まあ、体験版だけではすべてを判断できないですがね。
期待度はヤンデレゲームとしてはガクッと下がり、普通のゲームとしての期待度は若干上がり、結果としては期待度は落ちた感じですか。

ヤンデレは全体で判断するもので断片で判断するものではないのでここで判断するのは危険ですが。
「血の流れない」というキャッチフレーズを使ってるからにはどんなに新しい表現をしてくるのだろうと思ったら、すごく陳腐だったので……。
期待していただけに、とても……残念です。
期待する方が悪いのかー……それでも期待せずにいられないー……例え期待する方向性が間違ってると件の友人に言われようがー。

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あんまりこーゆーのに脊髄反射はしたくないんですがね。こっちまで馬鹿みたいに思われるから。
でもまあ、私の持論を話すには丁度イイ機会かと思ったので。

「アニメ・漫画はその人の精神や人間性に影響を及ぼすか?」
これは間違いなくYESだと思います。
そこを否定するのはよっぽどの馬鹿か潔癖症しか居ないのではないでしょうか。
私だって、無責任艦長がキッカケ……影響されて軍オタになった類です。
ではそれが駄目なことかというとNOです。
私は軍オタですが、戦争がしたくてしたくてたまらない、なんて人間は国のトップに据えたくは無いですし、人を殺したいとも思いません。
(もちろん、「戦争? とんでもない! 兵器が傷つくじゃないか!」という気分も無くは無いですがねww)

影響が無いなんてなったら「~という漫画の影響を受けて陸上を始めました」「~の影響を受けてゲームを作りたいと思いました」というのが全部なくなります。
プロ野球選手なんてきっと今の半分以下になりますよ。

例え二十までと考えたとして、その人が読んだ・やった・見た作品は五百や千は余裕で超えています。
美術の教科書を見ただけで三百や四百は載っていますし、いまどきお子さんの居る家庭でTVを持っていない家庭も少ないでしょう。(私は持ってませんが)
小説の挿絵だって一つ一つが絵師さんの作品です。

ゴッホの自画像を見た人が耳を切りますか? モディリアーニの作品を見た人が失明しますか? あるいは酒漬けになりますか?
そういうことです。

>相手が仮にモンスターと
>いえども、小学生の時代から相手を殺すゲームを続けていたら、人殺し感覚を学習してしまうと思う。

つまり、今の三十代は他人を踏みつけて前へ進むのを楽しむ、とそういうわけですか?
ありえないでしょ。
てか、そんな人いたらヴァカでしょ。ただの。

つまり、影響を受けたとしてその後は個人の責任です。当たり前の話ですが!
残念なことにこの当たり前の話を分からない人も多いようなので。

つーか、最後の方にも載っていますが

727 名前:名無しさん@九周年[sage] 投稿日:2008/07/07(月) 15:38:59 ID:laNfMdUA0
現実と空想の区別がついてないこの社長がヤバイと思う

自分の範囲外に理由があった方が安心出来るのは分かるけどね

640 名前:名無しさん@九周年[sage] 投稿日:2008/07/07(月) 15:33:28 ID:ZI56eeca0
とりあえず、
ゲームと現実の区別をつける前に、
喫茶店とメイド喫茶の区別くらいはつかないとヤバいよな、
人として。

全くの同意で。

スレ内にもありますがクリスマス画像は一種の自虐画像ですよ。
そして自虐も皮肉も笑いをとるためのものです。
自分が田舎モノであることを自虐的に話す芸人が居ましたが、アレを田舎を馬鹿にしていると騒ぐ人はいないと思います。(ちなみにですが、私だって田舎者ですし、自虐的な面もあります)
…………いないよね? いや、こういう人(ヴァカ)どもも居たには居たけどさ。

嘘(ネタ)を嘘(ネタ)として見抜けないものに(以下略)ですよ。現実でもゲームでもマンガでも。

あ、ちなみに人殺しにゲームやアニメ、小説の影響が有るか無いかっていったら確実に有ると思いますよ。私は潔癖症じゃないので。
ただ、その責任は本人のものであり、ゲーム・アニメ・マンガ・小説に責任を求めるのは転嫁も甚だしいというだけです。

エラいことになってしまいました……とりあえず、画像をドン。

GetAttachment.jpgえー、見ればわかりますが、三分の一以上がキーボードの上の部分が外れております。
また、外れているもののほとんども中のポッチが外れているので基盤に直に触れてる感じです。
外れているのはF12^UIASDFHKZXCM、。・Shiftですね。
ちなみに、このこの状態には三月ごろには既になっていたりしますw
うー……酷使しすぎたのだろうか……
ちなみに、(X、K、Aのボタンがついに基盤から利かなくなったので)修理に出したら『保険より高くつくから、新しいのを買った方がいい』と言われました。
今、保険がおりるのを待っている最中です。
ちなみに、キーボード以外は使えるので廃品にはせずにもらいました。
キーボードを買えば使えますし、今まで収集したゲームや画像便利なフリーソフト(その中にはもう配布をやっていないのもあったり……ゲーム含めて)やお気に入り、ファイヤフォックスなどがたっぷり入っていますので。
更新は二月ほど前から学校で書いたのを家でコピペしたり、学校やネカフェで更新したりしております。
ちなみに、今日は前者っす。

konata.jpg「いやー。いつの間にかHIT数が一万超えててビックリしたね」
kagami.jpg「ホントねー」
「11月からだからー……もう八ヶ月にもなるんだね」
miyuki.jpg「これも皆様のお陰です」
konata.jpg「いや、ホント」
「今後ともよろしくお願いします」

miyuki.jpg「さて、ワシントン・ロンドン条約で、日本は主力・補助艦艇の双方厳密に枠内が定義されることとなります」
「ワシントン条約で制限されてなかった排水量一万トン以内の空母『龍驤』はロンドン条約で無駄になったんだよね」
kagami.jpg「そしてロンドン条約枠内で整備された各々の艦も暴風雨で欠点が明らかになった、と……」
「でも、日本海軍としてはどうしても戦力が欲しかったんだ。そこで注目されたのがロンドン条約のこの部分」

・基準排水量1万トン以下、速力20ノット以下、備砲6.1インチ砲4門以下の艦と基準排水量600t以下の艦は無制限

「600t以内が無制限ってのはもうやったから……」
田村ひより「特務艦……ってとこッスね」
「ちなみに特務艦というのは潜水母艦や給油艦、工作艦といった、直接戦闘には関わらない艦艇のこと……」
konata.jpg「特務艦が無制限なことに気が付いた日本海軍はあらかじめく空母への改装が容易な特務艦を作って有事にはこれを空母にしようと決めたんだ」
miyuki.jpg「注意して欲しいのは、これの改装軽空母は後のアメリカ海軍の軽空母や、日本の伊吹、ドイツのヴェーザーなどと違い、最初から空母への改装を見越して作られた艦だということです」
「他艦種から改装して空母になったわけじゃなくて、予め空母になる予定で他艦種になっていた……ややこしいけど、そういうこと?」
miyuki.jpg「そうですね。これらの予め空母への改装を見越して作られた艦を『空母予備艦』といったりもします」
konata.jpg「空母予備艦として竣工したのは、次の艦だよ」

潜水母艦『大鯨』

空母『龍鳳』
全面電気溶接、ディーゼル機関など当時の技術の粋が集められたが、そのため運用にも苦労した。

・『剣崎』級級給油艦(竣工途中に潜水母艦に)『高崎』『剣崎』

『祥鳳』型航空母艦『祥鳳』『瑞鳳』

・『千歳』型水上機母艦『千歳』『千代田』

『千歳』型航空母艦『千歳』『千代田』
小型潜航艇『甲標的』も運用できるようにした水上機母艦。甲標的は軍事機密だったため、公文書では水上機母艦のままだった。

・水上機母艦『瑞穂』
千歳型と準同型艦で機関を完全ディーゼルとしたが故障が多発した。甲標的運用能力はない。

・水上機母艦『日進』
瑞穂と同じく完全ディーゼルだが、瑞穂の教訓からか高速が発揮できた。甲標的運用能力はあったが、それよりも大きな格納庫から重火器の運送艦として使われた。

「このうち、『瑞穂』は改装前に沈没したため、『日進』は高速輸送艦として使い勝手がいいため、改装は行われなかった」
kagami.jpg「予定通りは行かないものね……」
miyuki.jpg「また、平時に民間船舶として使っているものを有事には海軍艦艇として使おうという発想は昔からありましたが、日本海軍はさらに一歩進み、平時から有事を見越して民間船舶を即時武装できるように作った艦を設計しておくようにしました」
「大型・高速の優秀船を作ろうとした会社には海軍から助成金が出た。もちろん、有事には徴用するという前提付きで」
miyuki.jpg「昭和十二年に施行されたこの法律を『優秀船舶建造助成施設』といい、多くの大型船舶が建造されました。有名な氷川丸もこれによって建造されたんですよ」
田村ひより「へぇーっ。そうなんスか!」
konata.jpg「うち,空母に改造されたのは以下の艦だよ」

・『春日丸』型→『大鷹』型
それぞれの頭文字を取ると所属している日本郵船株式会社の頭文字NYKとなるため、NYK船とも呼称された。欧州航路用に建造されたが、戦火が大きかったため,やむなく太平洋航路で運用された

・『あるぜんちな丸』→『海鷹』
小型だったため、開戦時には改装予定から外されたが、ミッドウェー作戦後の空母の不足によって空母への転用が決定した。同型の『ぶらじる丸』は改装前に沈没した。

・『出雲丸』型→『飛鷹』型
東京オリンピックを見越して建造された。当時の日本の客船としては最大級で太平洋航路の客船としても最大だった。

「使い勝手はどうたんですか?」
konata.jpg「まず、軍艦から改装した空母予備艦……これは改装した時期によってピンキリだね」
miyuki.jpg「昭和十五年に『高崎』から改装された『瑞鳳』はアリューシャン攻略作戦や南太平洋海戦などに参加し、それなりの活躍を収めています。一方昭和十六年に『剣崎』から改装された『祥鳳』は昭和十七年に珊瑚海海戦に参加し、日本空母として初の喪失艦となります」
konata.jpg「『千歳』型はむしろ、水上機母艦、あるいは特殊潜航艇母艦としての活躍のほうが目立つね。戦時中は水上機や特殊潜航艇の輸送などを行って各地を転戦したよ」
「特殊潜航艇って?」
田村ひより「甲標的のことッスよね?」
konata.jpg「そうだよ。甲標的ってのは小型の潜水艦でね、港湾への攻撃に主に使用されたんだ」
「『千歳』型は空母としてはマリアナ沖海戦とレイテ沖海戦に参加し、レイテでは囮任務を果たして沈没した」
miyuki.jpg「『大鯨』は潜水母艦として数年使われた後、昭和十七年に改装を完了し、若干低速だったため主に輸送任務に従事しました。マリアナ沖海戦にも参加しましたが、戦果は上げられず小破し、修理が完了したころには出番がありませんでした」
konata.jpg「さて、商船改造空母だけど、これはアメリカやイギリスの商船改造空母とは違うんだ」
田村ひより「護衛空母じゃないんですか?」
konata.jpg「護衛空母っていうのは主に商船護衛を担当するために産まれた空母でしょ。日本の商船改造空母は輸送空母とでも称すべきものだったんだ」
「輸送空母……」
konata.jpg「つまり、占領した地域に航空機を輸送するのが主な役割だったってわけさ」
田村ひより「苦労して改装したのになんだか勿体無い気がするッス」
「そんなことない。航空機を航空機のまま輸送できるのは大きい利点」
kagami.jpg「普通の輸送船・運送艦なら部品ごとに運んで現地で組み立てなきゃいけないわけだしね」
miyuki.jpg「もちろん、正規空母と一緒に決戦用として用いる案もありました。しかし、商船としては高速とはいえ二十ノット強のものばかりで無理のある案です。それに、大戦後半にもなれば、艦載機の大型化が進んでこれらの小型空母では運用が難しくなりました」
「30ノットなんて馬鹿みたいな速力は商船としては経済性を無視した必要ない性能だった」
miyuki.jpg「また、これらの小型空母は海上護衛戦にも投入されますが、対潜捜索兵器の立ち遅れなどの問題点が原因であまり戦果をあげられませんでした」
konata.jpg「結果として輸送任務に従事させたのは正解だったってことさ」
「国が変われば運用方法も変わるものなんだね」
miyuki.jpg「最後に『出雲丸』『樫原丸』を改装した『飛鷹』『隼鷹』です。この二隻は他の商船改装空母と違い大型だったため、多数の海戦に参加しました」
konata.jpg「二十五ノットと低速だけど、飛龍か蒼龍なみの性能があったからね。特に『隼鷹』は武運に恵まれてね。米空母『ホーネット』の撃沈に関わってるよ」
「『飛鷹』はマリアナ沖海戦で喪失たが、『隼鷹』は終戦時まで残存した」
田村ひより「『大和』や『翔鶴』と並んで現在でもファンが多い艦っスね」

miyuki.jpg「さて、次回はいよいよ太平洋戦争で、大きく海戦の様相が変わる姿をしたいと思います」
田村ひより「大艦巨砲主義から航空優兵主義へ、ッスね!」
「もしくは、リクエストのあったキング・ジョージⅤ世級戦艦について詳しくやる予定」
konata.jpg「それでは次回もお楽しみに~」

なお、以下のサイトよりアイコンおよび画像を使用させていただきました。
モアイ部さま
アイコン&お絵かき工房  アクセス解析

konata.jpg野上武士先生、『萌えよ! 戦車学校III型』の発売、おめでとうございます」
「おめでとーございます」
miyuki.jpg 「るあも読みました。とても面白かったです」
konata.jpg 「さー、それからリスペクト、もしくはインスパイヤされてる私たちもがんばろうか」
kagami.jpg 「リスペクトとかインスパイヤっていうと何かいやーな感じに聞こえるわね……」

miyuki.jpg 「さて、今回は予定を変更して、ドイッチュラント級の系譜についてやろうと思います」
「系譜?」
konata.jpg 「ドイッチュラント級から派生していった艦が各国にあるってのは言ったよね? それを個艦別に扱おうってことさ」
miyuki.jpg「今回は第9回目のような形式にしたいと思います」
konata.jpg 「なお、今回から新しい人が増えるよ」
田村ひより「うっス、田村ひよりっス。よろしくお願いするっス」
kagami.jpg「なんでまた、第11回目にもなって……」
「バランスの問題……」
kagami.jpg「ああ……先生役2、補助役1、生徒役3じゃさすがにバランスが悪いってことね……また、ぞろ安直な……」
「まあまあ」
田村ひより「ちなみに、軍オタ初心者(という設定)っス」
kagami.jpg「設定いうな!」
miyuki.jpg「なお、今回は『真実一路』さんの記事に多分に影響を受けています。良かったら、そちらもどうぞ」
「正直あっちのが分かりやすいです。そちらを合わせて読むことをおすすめします」

konata.jpg 「さて、本題に入る前にまず予習と復習をしようか。主砲の威力を高めようとしたら、どんな方法があった?」
「口径の大型化だよね」
konata.jpg 「その通り。でもそれだけじゃないよ」
kagami.jpg「他には何があるのよ?」
田村ひより「砲身の長さを長くすることっスか?」
konata.jpg 「ひよりん正解。でも、それ単独じゃ△だね。それがどうしてなのかを知らなくちゃいけないよ。」
田村ひより「うっス。分かりました」
miyuki.jpg「主砲の威力を高めるには大きく分けて三つの方法があります。第一に主砲の口径サイズの大型化、第二に初速(弾が主砲から飛び出る速さ)の増大、第三に弾の重量を増やすことです」
 「それぞれ、どんな効果があるの?」
「初速が上がればそれによって速度の二条に比例する運動エネルギーが上がる。重量を増やせば位置エネルギー……放物線を描いたときの最大の高さからの位置エネルギーが増加する」
「位置エネルギーは重力加速度×重さ×高さだよね。つまり、重ければ大きいってことだね」
konata.jpg 「これらの方法にはそれぞれメリットとデメリットがあるんだ。まず、主砲の大口径化を基準として考えるよ」
miyuki.jpg「まず、初速を増やすやり方ですが、この方法のメリットとしては射程が延びることが上げられます。また、近距離での垂直装甲貫通能力が上がります」
 「デメリットは中距離での水平装甲貫通能力が劣ること」
「どうして?」
konata.jpg 「例えばだけど、初速の速い40cm砲と初速の遅い40cm砲があったとするよ。初速が速い方の最大射程を4万メートル、遅い方を3万5千メートルと仮定する。3万メートルを狙って弾を撃った時、最終的に落ちる地点でどっちが落下角度は大きいかな?」
田村ひより「初速が遅い方……っスよね?」
konata.jpg 「その通り。そして落下角度っていうのは大きいほど水平装甲貫通能力が大きくなるんだ」
miyuki.jpg「キャッチボールの図を思い出してくださいね」
「なるほどー」
miyuki.jpg「また、初速を早くすると弾がブレやすくなります。結果的には散布界……弾が落ちる所の狙った中心点からのバラつきが大きくなり、命中率が悪くなります」
konata.jpg 「ひよりんのいった砲身を長くするというのはこれだよ」
田村ひより「なるほどっス」
「どうして砲身を長くすることが初速を増やすことに繋がるの?」
konata.jpg 「砲身が長ければ火薬によって弾を押す時間が長くなるからさ。つまり、より長い時間力をかけられるってこと」
「ふむふむ」
「なるほど……」
「最後に弾の重量化……デメリットは射程が延びないこと。重い弾を使うわけだから同じ初速なら放つ物体が重いほうが届く距離が短いのは当然」
konata.jpg 「メリットは運動エネルギーが落ちないことかな」
kagami.jpg「運動エネルギーは重さ×速さ×速さよね」
konata.jpg 「そう。速さってのは空気抵抗や弾同士の干渉で遅くなったりするからね。運動エネルギーを速さに依存すると威力も落ちやすいんだ。でも、重さってのは変わらないから威力は落ちない」
kagami.jpg「つまり、弾は飛ばないけどその分威力は上がるってことね」
konata.jpg「そのとおり」
miyuki.jpg「このことを踏まえて今回の授業はいきますよ」
konata.jpg 「これは頻繁に出てくるから今回以外でも大事だよ」
田村ひより「わかりました」
kagami.jpg「覚えておくわ」

miyuki.jpg「さて、まずはドイッチュラント級装甲艦です」
konata.jpg「この手の軍艦の始祖だね。まずはドイッチュラント級戦艦がどうして作られたのか考えてみようか」
田村ひより「通商破壊戦を繰り広げるためではないんスか?」
konata.jpg 「残念ながら違うよ。それは結果的にそうなっただけ。そう誤解してかいてある資料も多いみたいだけど、ドイッチュラント級装甲艦が通商破壊戦に用いられたのは飽くまでそう使ってしまっただけで、元の狙いは違うんだ」
miyuki.jpg「ちなみに通商破壊戦とは、相手の通商路……商戦などが通る回路で商戦の撃沈・拿捕をする方法で、意味合い的には兵糧攻めと同じです」
「ふむふむ」
田村ひより「それじゃあ、どうして、2万浬なんて馬鹿みたいな航続距離を持っていたんスか?」
kagami.jpg「私も気になるわね。どう考えても過剰でしょ」
konata.jpg 「それはね、ドイツの艦艇が少なかったことに起因するんだよ」
「どゆこと?」
konata.jpg「例えばある海域で戦闘が発生したとするよ。すると、その場に居ない軍艦はなす術が無いわけだよ」
kagami.jpg「まあ、それもそうよね」
konata.jpg 「でも軍艦が最高速度でかっとんでいけば戦場について戦況に寄与することが出来るかもしれない。つまり、ドイッチュラント級には速力最大で海域のどこにでもいける能力が求められたんだ」
「つまり、26~28ノットで北から南へ、南から北へと向かえる能力がもとめられたってこと?」
田村ひより「あるいは、最大速力で他国の戦艦の航続力と同等のものが欲しかったということっスか?」
miyuki.jpg 「その通りです。10ノットで2万浬という化け物みたいな航続力は飽くまでオマケに過ぎません」
kagami.jpg一隻で二隻、三隻分の活躍をできる艦ってわけね」
konata.jpg「良く考えてみなよ。ドイツが通商破壊戦しかける相手がどこにいる?」
田村ひより「えーっと……イギリスとか……」
konata.jpg 「イギリスは戦力差がありすぎて論外だよ。となると隣国のフランスやポーランドになるんだけど陸続きの相手に海路で通商破壊戦をしかけても効果は薄い」
「通商破壊戦は長期戦向けで短期戦には向かない戦法」
konata.jpg「そして長期戦になれば戦力が限られているドイツは片方に攻めている間にもう片方から攻められる危険性がある。仮に戦争になったとしてド イツには短期戦しか方法はない。つまり、通商破壊戦をしかける相手がいないんだよ」
田村ひより「なるほどっス」
kagami.jpg 「で、ドイッチュラント級装甲艦が作られた理由は何なわけ?」
konata.jpg 「ドイッチュラント級装甲艦が主敵としていたのは第一に北欧の海防戦艦、第二にソ連・フランスの弩級戦艦、第三に他国の条約型巡洋艦だったんだ」
miyuki.jpg 「なお、それぞれの大まかな能力を下に書いておきますね」

艦名 艦種 排水量 速力 主砲 舷側装甲 甲板装甲
スヴェリエ 海防戦艦 スウェーデン 7820t 22.5ノット 28.3cm砲4門 203mm 50mm
ノルゲ 海防戦艦 ノルウェー 3645t 16.5ノット 20.8cm砲2門 152mm 51mm
イルマリネン 海防戦艦 フィンランド 3900t 16ノット 25.4cm砲4門 55mm 20mm
ニールス・ユール 海防戦艦 デンマーク 3800t 16ノット 15cm砲10門 195mm 不明
ガングート 戦艦 ソ連 23360t 23.4ノット 30.5cm砲12門 229mm 76mm
クルーベ 戦艦 フランス 21400t 21ノット 30.5cm砲12門 270mm 110mm
デュケーヌ 重巡洋艦 フランス 10000t 33.5ノット 20.3cm砲8門 50mm 20mm
ロンドン 重巡洋艦 イギリス 9500t 32ノット 20.3cm砲8門 111mm 76mm
カフカズ 重巡洋艦 ソ連 7440t 29.5ノット 18cm砲4門 76mm 25mm
トレント 重巡洋艦 イタリア 10500t 35ノット 20cm砲8門 70mm 50mm
ドイッチュラント 装甲艦 ドイツ 11700t 26ノット 28.3cm砲6門 60mm 40mm

kagami.jpg「こうして見ると装甲艦の奇抜さというか中途半端さが際立ってるね」
田村ひより「装甲はほとんど捨てているけど速力は巡洋艦より遅くて、砲力は弩級戦艦の半分程度。でも、海防戦艦や巡洋艦よりは上……」
konata.jpg 「まず、海防戦艦を相手にする場合から見ていこうか。これの場合は負ける心配はほとんどないと思うよ」
kagami.jpg「まあ、装甲以外は全部上だしね……」
konata.jpg 「速力ってものは以外に重要なものなんだよ。相手が自分より弱敵、または同等の場合は常に有利な位置からの砲撃が可能になるし、相手の方が強敵だったなら逃げる事も出来るからね」
「脅威となるのはスヴェリエぐらいだけど、同じ28.3cm砲でもドイツのほうが射程が長い……つまりアウトレンジ攻撃が可能。それに手数も多い」
田村ひより「不用意に近づかない限りは負ける心配はない、ってことっスね」
miyuki.jpg「次に弩級戦艦です」
kagami.jpg「これはちょっと勝ち目が薄いんじゃない?」
konata.jpg「確かに単艦ではそのとおりだよ。でも二隻、あるいは三隻なら?」
「それは……負けるのは装甲ぐらいになるね」
konata.jpg 「ハナから一隻で勝とうなんてしてないんだよ。二~三隻ぐらいでいっしょに行動して、同じ敵を叩く……もともとドイツではそういう試算をしていたんだ。最終的には三隻しか建造されなかったドイッチュラント級だけど、最初は六隻建造する予定だったしね」
「つまり、勝ち目はあるってこと?」
 「ん……勝ち目はあるけど、高くはない、といったところ」
「どうして?」
konata.jpg 「まず、装甲という面が一点。極端に装甲が薄いから一発で轟沈、なんて自体もありえる。対して、相手の弩級戦艦の方はドイッチュラント級の主砲が若干威力に劣る28.3cm砲であることも起因して轟沈なんてことはまずない」
kagami.jpg「まあ、それもそうね」
konata.jpg 「そして第二に、条約型巡洋艦の存在だね」
「え? どういうこと?」
konata.jpg「よし、それじゃ条約型巡洋艦を相手にするときのことを考えてみようか」
kagami.jpg「これは、一番装甲艦に近い能力ね……速度で圧倒的、主砲はサイズは劣るけど砲門数が多い、装甲は同等……」
「まず、相手の方が速力が速いから弩級艦や海防戦艦のときと違って常に有利な位置で戦えない。つまり、アウトレンジ攻撃(相手の主砲の射程外から一方的に攻撃をする方法)がとれるかどうか怪しい」
「つまり、威力に勝るだけで、装甲は下手すれば条約型巡洋艦より薄いから相打ちになりえるってこと?」
「そういうこと」
konata.jpg「つまり、ソ連やフランスは条約型巡洋艦(もしくはそれに近いもの)を保有している。戦艦どうしが単艦で決戦することなんてマズないから、条約型巡洋艦を持っている相手の方が圧倒的に有利……弩級戦艦に対する勝ち目が薄いってのはそういうことさ」
kagami.jpg「相手が恐れて逃げ出したらともかく、逃げずに突っ込んできたらなすすべなし、ってことね」
konata.jpg「もちろん、近づかれる前に沈めればいいんだけどね。現実はそうも甘くないのさ」


miyuki.jpg「さてドイッチュラント級装甲艦にはじめに対抗した艦。それがこのダンケルク級戦艦です」

(アイコンなし)
ダンケルク級戦艦
基準排水量:26500t
満載排水量:35500t
全長:215.1m
全幅:31.1m
出力:112500馬力
速力:29.5ノット
航続距離:7500浬/15ノット
装甲:舷側225mm、甲板125mm、主砲塔前面330mm、主砲塔側面225mm、バーベット340mm、司令塔269mm
兵装:50口径33cm4連装砲2基、45口径13cm4連装高角砲3基、同連装砲2基計16門、60口径37mm連装機銃4基8門、70口径20mm機銃32門、水偵4機、カタパルト1基

konata.jpg 「ところで、戦艦の大まかな定義は覚えてるかな?」
「その国で一番強い艦……だよね?」
「そう。そして強い艦っていうのは火力があってそれに対する対応防御ができていることが条件」
konata.jpg 「ところが、ダンケルク級は(この時点で)フランス最強艦じゃないんだ。すでにブルターニュ級戦艦という34cm砲を積んだ超弩級艦が居たんだよ」


ブルターニュ級戦艦
基準排水量:23230t
満載排水量:27340t
全長:165.8m
全幅:27m
出力:43000馬力
速力:20ノット
航続距離:4700浬/10ノット
装甲:舷側261.6mm、甲板58.4mm、主砲塔前面400mm、バーベット254mm、司令塔315m
兵装:45口径34cm連装砲5基10門、55口径13.9cm単装砲10門、10cm単装高角砲7門、45mm機銃2門、水偵1機、カタパルト1基

konata.jpg 「こうして見るとブルターニュ級の方が主砲のサイズは大きいし、装甲も上。装甲が対応防御だと考えると威力で新型の33cm砲が勝っているとも考えづらいね」
「つまり、ダンケルク級は最強じゃないってこと?」
 「そう。極端なことを言えば、ダンケルク級戦艦は戦艦じゃない
「ははあ……」
miyuki.jpg「ダンケルク級は戦艦というよりはパワーアップした巡洋艦……そうみなすべきでしょうね」
「ダンケルク級の特徴はまず主砲を前面に集中させたこと」
「珍しい形だね」
miyuki.jpg「この形なのはあとはイギリスのネルソン級戦艦しかありません」
田村ひより「大和も最初はこういう形にする予定だったんスよね」
「そう。でも大和ではデメリットのほうが大きいとされて不採用になっている」
kagami.jpg「この方法のメリットとデメリットは?」
konata.jpg 「まず、メリットは重量が軽くなることかな。一番守らなくてはいけないところを集中させるわけだから装甲を節約できる」
miyuki.jpg「また、前方火力が大きいため高速で走り回り敵を封じ込めるには最適です」
konata.jpg 「デメリットはその逆だね。つまり、後ろに撃てない」
「巡洋艦とかに後ろから近づかれたら弱いってこと?」
konata.jpg 「そうだね。でも、ダンケルクは前方の主砲の撃てる角度が広いんだ。つまり、真後ろ以外ではだいたい対応できるようになってる」
「ほかに特徴といえば……」
「4連装砲の採用。メリットは砲塔重量を軽くできること」
miyuki.jpg「連装砲2基より4連装砲1基のほうが軽いということです」
konata.jpg「さっきと同じで装甲にまわす分の重量が軽減できるってわけだよ」
kagami.jpg「そういえば、どこの国でも4連装砲を採用している国はなかったわね」
konata.jpg「アメリカで6連装砲なんてバカみたいな主砲を採用しようとしたときもあったけどね。4連装砲ってのは技術的な冒険なんだよ。実際、イギリスで4連装砲を採用したキングジョージⅤ世級戦艦は故障が多発して大変だったみたいだよ」
「じゃあ、ダンケルク級もそうなったの?」
konata.jpg「ところがそうはならなかった。なぜならダンケルク級の4連装砲が連装砲を繋げた4連装砲だったからさ」
「どういうこと?」
「連装砲を繋げた4連装砲は純粋な4連装砲より防御間隔が広くなる。つまり直接防御は普通の4連装砲より甘くなる」
「勿体無いね……」
konata.jpg「悪いことばかりじゃないんだよ。4連装砲ってことは一つ砲塔が潰されると一気に火力が半分になることを意味している。砲塔と砲塔の間に一発食らえば両方が使えなくなる危険性すら孕んでいるんだ」
kagami.jpg「危ないのね……てか、折角装甲を増やしたのにそれじゃ……」
konata.jpg「連装砲塔を繋げた4連装砲の場合はこの危険性がずいぶん小さくなるんだ。つまり、4門中2門を犠牲にしても2門を使うことができる可能性が増える。それに砲塔どうしの間も空いてるから両方が同時に使用不能なんて状況には陥りがたい」
kagami.jpg「つまり、ダメージを食らったときのことを考えた砲塔なのね」
konata.jpg「そのとおり。それに、故障もずいぶん少ないんだよ。連装砲はどこの国でも採用していたスタンダードなものだからね」
田村ひより「技術的冒険と基本の応用がうまくかみ合い、結果的に成功作になったいい例なんスね」
miyuki.jpg「なお、ダンケルク級はドイッチュラントに対抗するために生まれたという説もありますが、フランスが独自に通商破壊戦を行おうとしていたというせつもあります」


基準排水量:32358t
満載排水量:38700t
全長:235.4m
全幅:30m
出力:163000hp(最大)
速力:31.5ノット
装甲:舷側170~350mm、甲板50~105mm、主砲塔前面360mm、主砲塔側面200mm、主砲塔天蓋180mm、バーベット280~350mm、司令塔220~350mm
兵装:54.5口径28.3cm3連装砲3基、55口径15cm連装砲4基、同単装砲4基計12門、65口径10.5cm連装高角砲7基14門、83口径37mm連装機関砲8基16門、20mm機銃10門、水偵3機、カタパルト1基

konata.jpg「で、そのダンケルク級に対抗しようとドイツが作ったのがシャルンホルスト級巡洋戦艦だね」
田村ひより「ああ、ヘボ戦艦っスね」
「ヘボなの?」
konata.jpg「ヘボな理由は説明するけど、ヘボなのは間違いないね」
「どうしてヘボなの?」
「主砲が原因」
kagami.jpg「主砲……28.3cm砲だからドイッチュラント級と同じね」
miyuki.jpg「シャルンホルストは当初38cm砲を積む予定だったんですが、生産が間に合わなくず、結局ドイッチュラント級と弾が共有できる28.3cm砲を積むことになったんです」
田村ひより「でも、ドイッチュラントに比べて砲身長が長いっスね。ということは射程と威力が大きいということっスよね?」
「そう。ただし、それは物事の一面」
「どういうこと?」
射程が長いということは、射程の中~近距離での落下角度が小さいことを意味する。シャルンホルストの主砲の最大射程は40930メートル……大和に匹敵するほど遠い」
konata.jpg「でも、それは中距離……2万メートル前後での水平装甲貫通能力が小さくなることを意味するんだ。落下角度が小さくなるからね」
「じゃあ、遠距離で戦えば?」
konata.jpg「遠距離だと今度は28.3cm砲弾なんて中途半端さが災いする。このサイズの弾の重量は小さいからね。打ち上げた後の重力による最加速が小さくなって威力は落ちるんだよ。オマケに、さっきいったように初速が速いと命中率が悪くなるしね」
「つまり、シャルンホルストの有利なところは近距離しかないってこと?」
konata.jpg「そう。実際、近距離ならシャルンホルストの28.3cm砲は38~40cm砲に匹敵する能力なんだ。そして射程も46cm砲に匹敵する。問題は両者がそれぞれ独立していて、どちらかを取るとどちらかを捨てなければいけないって点なんだ」
kagami.jpg「つまり、遠距離だと威力におとり威力を取ると自分に不利な近距離戦しかない、と……」
konata.jpg「その通り。とはいっても、38cm砲に換装する予定だったんだけどね。そうなれば充分に使えるになったとは思うよ」
kagami.jpg「28.3cm砲に38cm砲と同じ能力を求めることがそもそも無理、ってことね……」
miyuki.jpg「シャルンホルスト級の不幸……それは主砲の生産が間に合わなかったことにあるといっていいでしょう」

konata.jpg「さて、次は太平洋方面に入るよ。まずはアラスカ型大型巡洋艦だ」


基準排水量:27000t
全長:246.46m
全幅:27.7m
吃水:9.72m
出力:150,000hp
速力:31.5ノット
航続力:12000浬/15ノット
装甲:舷側229mm、甲板102mm、主砲塔325mm、バーベット279~330mm、司令塔254mm
兵装:50口径30.5cm3連装砲3基9門、38口径12.7cm連装高角砲6基12門、56口径40mm4連装機関砲18基72門、70口径20mm機銃34門、水偵4機

miyuki.jpg「アラスカ級大型巡洋艦はドイッチュラント級装甲艦、シャルンホルスト級巡洋戦艦、日本の秩父型大型巡洋艦の対抗馬として生まれました」
kagami.jpg「ヘボ戦艦なのに?」
konata.jpg「ヘボ戦艦でも通商破壊戦に使われたらやっかいだしね。それにシャルンホルスト級巡洋戦艦はドイッチュラント級装甲艦と違って対重巡洋艦としては充分な性能を持っていたんだよ」
miyuki.jpg「それに1930年代のアメリカの戦艦郡は軒並み20~23ノットと低速でした。シャルンホルストやドイッチュラントと遭遇しても逃げられる可能性が大きくなります」
「なるほど……ところで秩父型大型巡洋艦って?」
田村ひより「B-64型大型巡洋艦のことっスか?」
konata.jpg「ひよりんのいったB-64型については次に説明するよ。でも、それじゃあない。アメリカは日本でもシャルンホルストのような小型戦艦(もしくは大型巡洋艦)を建造中だと思っていたんだ。ただ、これは情報自体が間違っていて、寧ろアラスカの情報から日本が大型巡洋艦を建造したぐらいなんだ」
「案外マヌケだったんだね。アメリカって」
miyuki.jpg「それだけ、情報戦は難しいということですよ」
konata.jpg「これの特徴はとにかく『長い』ことかな」
kagami.jpg「『長い』? 『大きい』じゃなくて?」
「そう。たとえば、全幅が33.1mの扶桑は全長は212.8mだし、全幅が34.6mの長門は全長が224.5mしかない」
「扶桑や長門のほうが普通なんだよね?」
konata.jpg「そうだね」
「となるとアラスカはホントに細長い艦なんだね」
kagami.jpg「長いと何か悪いところがあるの?」
konata.jpg「メリットとデメリットがあるね。まず、メリットとしては足が速くなること。同じ長さで同じ出力なら幅が短い方が速力が大きくなるんだ」
kagami.jpg「まあ、それは判るわ。抵抗の関係よね」
konata.jpg「逆にデメリットは、操舵性・凌波性が極端に悪くなること。つまり、海が荒れるとグラグラと動揺することになるんだよ」
miyuki.jpg「また、直進性が良すぎるので舵の効きも悪くなります。このため、艦隊行動がとりにくい艦となりました」
konata.jpg安定性が悪いから砲撃の時も艦が同様して狙いが付けにくい。それに砲撃時の艦の揺れも大きくなるから、散布界も悪くなる。細長いから砲塔間の距離が空いて、これも散布界が悪くなる原因になる
kagami.jpg「こりゃまた……デメリットの方が多いじゃないの」
「問題児なんだね」
konata.jpg「問題児なんだよ。主砲は優秀なんだけどね。こういう目に見えないスペックが悪いから」
miyuki.jpg「良くアラスカはその中途半端な性能ゆえに活躍できなかったと聞きますが、活躍できなかった理由はその目に見えない性能だったのではないかと思いますね」
「じゃあ、どうしてこんな半端な艦を作ったの?」
konata.jpg「日本の重巡洋艦に対抗するためだよ。日本は雷装を重視していたから重巡に61cmという大口径の魚雷を採用していたんだ」
「対するアメリカは雷装をしていない艦のほうが多かった。これはアメリカが重巡を偵察戦力とみなしていたため」
「つまり同じ巡洋艦なら日本のほうが強い?」
田村ひより「単純に考えればそっスね……」
konata.jpg「つまり、日本の重巡洋艦に対抗するのにアメリカの重巡洋艦じゃ力不足だったわけ。で、それが理由で完成したのがアラスカだったってわけさ」
miyuki.jpg「アラスカは当初の目標こそ達することができませんでしたが、その高速性と高い対空能力を活かし空母の護衛として活躍しました」

konata.jpg「さあ、最後は日本の艦だよ」
miyuki.jpg「ただし、これまでとは違い未成艦ですがけどね」


超甲巡(B64型大型巡洋艦、795号艦)
基準排水量:32000t
全長:244.6m
全幅:27.2m
吃水:8.8m
出力:170000hp
速力:33ノット
装甲:舷側190mm(傾斜20mm)、甲板125mm、主砲塔天蓋70mm
兵装:50口径31cm3連装砲3基9門、65口径10cm連装高角砲8基16門、60口径25mm3連装機銃4基12基、76口径13.2mm4連装機銃2基8門、61cm4連装魚雷発射管2基8門、水偵3機、カタパルト1基

「超甲巡……なんだかカッコいいね」
konata.jpg「甲巡ってのは重巡洋艦のことだよ。ちなみに、乙巡と丙巡が軽巡洋艦。つまり、超甲巡ってのは重巡洋艦以上の巡洋艦って意味があるのさ」
「ふーん」
田村ひより「大和の配置に似てるっス」
konata.jpg「そうだね。艦橋の位置、主砲の位置、防御配備、それらが全て大和を参考にされたからね」
kagami.jpg「似てるのは当然、ってわけね」
konata.jpg「超甲巡はアラスカに対する対抗馬として生まれたんだ。だけど、他国のこのテの艦とは決定的に違う面が一つある。それがどこかわかるかな?」
田村ひより「んー……魚雷兵装っスか?」
konata.jpg「正解。じゃあ、どうして魚雷兵装があるかわかる?」
「えーっと……どうしてだろう?」
田村ひより「ちょっと……分からないっス」
miyuki.jpg「それは、超甲巡が飽くまで重巡洋艦の延長線上にあるからですね」
田村ひより「どういうことっスか?」
konata.jpg「条約型巡洋艦に求められたのが準主力艦としての役割だった、ってのは言ったよね? 日本が雷装を重視したのは巡洋艦でも戦艦を屠ることが出来るように、ってことなんだ」
kagami.jpg「確かに20.3cm砲だけじゃ戦艦を相手取るのはきついわね……」
konata.jpg「でも、20.3cm砲装備で対応防御が出来ていないとなると、戦艦を相手にする前に敵の巡洋艦によって邪魔される……超甲巡は敵の巡洋艦を無視して敵の戦艦を屠れるようにした艦なんだ」
「ちなみにアメリカの重巡洋艦は一時期から雷装を外している……先進性が云々と言われるときもあるけどそれは間違い。アメリカは重巡洋艦を対軽巡以下として、あるいは偵察ユニットとしてしか用いようとしなかっただけ」
「じゃあ、他の国のは?」
konata.jpg「他の国のはドイッチュラント級装甲艦が『条約型巡洋艦をつぶせるように』建造したのと同様に、自分より弱い相手を一掃することが目的だったんだ」
kagami.jpg「つまり、日本の超甲巡はそれとは違うってこと?」
miyuki.jpg「もちろん、超甲巡にもそういった役割を与えられています。しかし、それと同時に自分より強い艦に対してもある程度の勝負が出来るようにした艦……それが超甲巡なのです」
「第一次世界大戦の巡洋戦艦から発達した究極の超巡洋艦……それが超甲巡なのかもしれない」
「ちなみに、超甲巡はどうなったの?」
konata.jpg「超甲巡は⑤計画で計画されるんだけど、ミッドウェー海戦で空母が不足したことで重巡、戦艦の優先度は低下して、結局は計画段階で破棄されちゃったんだ」
kagami.jpg「なんだか勿体無いわね……」


miyuki.jpg「さて、次回こそ空母予備艦をやりたいと思います」
「いま気付いたけど、予定通り言ったことってほとんどないよね」
konata.jpg 「そういうところは細かいトコは気にしない」
kagami.jpg「いや、気にしろよ!」


なお、今回以下のサイトよりアイコンおよび画像を使用させていただきました。
モアイ部さま
アイコン&お絵かき工房 

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久しぶりのゲームレビューですね。
今日はきゃんでぃそふとのつよきすです。


●あらすじ
(オフィシャルサイトより引用)
私立の学校「竜鳴館(りゅうめいかん)」に通う主人公・対馬レオは2年生。

初夏のある日、家に幼い頃に姉代わりだった従姉弟の鉄乙女(くろがね おとめ)が引っ越してくる。

乙女は、自分達の長期出張にかこつけてなまけている息子の性根を叩き直して欲しいとレオの両親に頼まれ、家にやってきたのだった。

乙女と2人きりで暮らす生活にとまどう主人公。

さらに乙女は、生徒会の仕事を主人公に
手伝って欲しいともちかける(というか命令形)

そこは主人公が想いを寄せる生徒会長・霧夜エリカが取り仕切る
女帝政治の場所であった。幼馴染の蟹沢きぬ達を巻き込み
さらには1年生の間で不良と言われる椰子なごみが加わり、
執行部は美人揃いになったが、個性的な連中ばかり。

平凡だった日々が騒がしい毎日へと代わっていく……。


●評価
総評:82点

シナリオ:A
シナリオはタカヒロさん。
代表作は「姉、ちゃんとしようよっ!」シリーズ。
プレイ時間は25時間ほどです。

キャラ:S
攻略可能なヒロインは乙女、きぬ、なごみ、エリカ、良美、祈の六人。
祈ちゃんを素で忘れてて後から付け加えたのは秘密です。
良美はエリカを、祈はそれ以外の誰かをクリアすることでルートが開放されます。
以下紹介

・鉄乙女(CV.青山ゆかり)
主人公の従姉弟で、幼い頃から姉に等しい存在。
世話焼きで、拳法部に入っているため肉体的に強い。
嘘をついたりするのが苦手で、人の言う嘘などもすぐに信じてしまう素直な性格。
ぶっちゃけ、斗貴子さん。
・蟹沢きぬ(CV.金田まひる)
隣に住む幼馴染兼悪友。
底抜けのバカだが、開けっぴろげで、また精神的にタフ。
負けず嫌いで度胸は据わっているが、勝負になると大体負ける。
自分の名前が嫌いで、幼馴染たちには「カニ」と呼ばせている。
・椰子なごみ(CV.海原エレナ)
一匹狼で常識はあるが、気遣いはできない。
スポーツはできるが近眼。
その性格上クラスでも浮いているが本人は気にしていない。
・霧夜エリカ(CV.北都南)
ハーフのお嬢様。
容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万全と隙がないが、性格に難があるため恨みや嫉妬を受けやすい。
皆から尊敬と皮肉をこめて「姫」と呼ばれている。
・佐藤良美(CV.草柳順子)
エリカの親友。また、フォローにも回る損な役。
優等生で誰にでも人当たりがいいため人気がある。
愛称は「よっぴー」だが、本人は嫌がっている。
・大江山祈(CV.まきいづみ)
学園一のセクシー教師。
何も考えていないようだが、言うことが容赦ないので生徒には恐れられている。
が、本人もたいがいの問題児。

以下サブキャラ
・鮫氷新一(CV.ベジータ間寺司)
主人公の悪友にして幼馴染。
悪人ではないが、スケベでヘタレで楽天家でお調子者。
「フカヒレ」というあだ名で呼ばれている。
・伊達スバル(CV.柵間拓哉)
主人公の親友にして幼馴染。
見た目が怖いため、周囲からビビられているが本人は気にしていない。
主人公たちは数少ない親友にして幼馴染。
・橘平蔵(CV.アナゴ川中嶋悟)
学園の館長にして拳法部の顧問。
漢の中の漢であるが、外見より中身という意見で校則は厳しくない。
ぶっちゃけ、江田島さん。
・西崎紀子(CV.まきいづみ)
主人公の隣のクラスの女の子。
しゃべるのが苦手でなんでも「くー」としか話さない。
・村田洋平(CV.中本伸輔)
主人公の隣のクラス。
紀子の世話を焼く。
・土永さん(CV.川中嶋悟)
祈が飼っているオウム。
頭がよく、人語を解し操る。
・楊豆花(CV.海原エレナ)
・浦賀真名(CV.草柳順子)
主人公のクラスメイト

あん? 近衛素奈央?
んなこといわれても知りません。私はPC版しかやってないので。
正直あんまり興味もありません。

CG:A-
原画は白猫参謀さん。差分なしで101枚。(小窓CG、戦利品含めず)
基本的にはそろっていますが、ここに欲しいというところもしばしばありました。
(姫ルートの野球、なごみルートのドッチボールなど)

音楽:B+
わりかし微妙な感じですかね……悪いわけではないのですが、心に残る音楽が少ないですし、何よりゲームの雰囲気に合わせようと大げさになっていると思いました。
特にピンクタイムは安っぽいラブホテルみたいな音楽で……シリアス混じった濡れ場には合わないと思います。(後半のアレならともかく)
ただし、OPの「Mighty Heart  ~ある日のケンカ、いつもの恋心~」とED「Isolation」はすばらしいです。特にEDはなごみルート、またはカニルート後に(単独で)聞くとクルと思います。

システム:A+
基本的にはに使いやすいです。
が、スペースキーがクリックと同じで、エンターがウィンドウを消すという普通とは逆のやり方なので若干戸惑うかもしれません。
私はこっちの方がやりやすいと思いました、

理想度:C
①主人公 ×
②出会い ×
③テーマ ○
④パラレル ×
⑤整合性 ×
⑥ヒロイン ×
⑦脇役 ○
⑧ハッピーエンド ○

●難易度
低いです。あって無きが如し。行き先選択形式ですし、ゲーム中の(クリアに関わる)選択肢はほとんどありません。あっても、すぐにわかるようなのです。

●攻略オススメ順
乙女さん→祈ちゃん→姫→よっぴー→カニ→なごみ
公式ではカニを一番先にすることを勧めていますが、カニかなごみをラストに持っていったほうがいいと思います。

●注意点
パロディまみれですので、そういうのが嫌いな人はやらないほうがいいでしょう。
また、ツンデレゲームではありませんので、そいうのは期待はしない方がいいです。

●感想
いい作品です。特に心に残るというわけではありませんが、話が必要以上に重すぎず、サクサクとやれます。
また、大笑いもできます。その大笑いはほとんどパロディに頼っているのですが、使いどころが秀逸で元ネタを知らずとも楽しめること請け合いです。
声優が豪華なところも吉。
勘違いしないでほしいのですが、このゲーム、ツンデレゲーじゃないです。
ツンデレといえるのは、なごみとカニ、まあ、無理やり入れて祈ちゃんぐらいのもんです。
悪い点は、濡れ場とゲームが解離しているところ。
よっぴールート以外ではほとんどの濡れ場が、余計とまでは言いませんが、ゲームと繋がっていません。
まるで同人誌読んでるかのような気分になりました。
エロゲーっていうぐらいなんだからエロを物語にも積極的に加えて欲しいお年頃。(ちなみに今変換が咥えると何度もなってしまった。エロいよね! 普段使ってるPCじゃないけど。ホントですよ?)
あと素直な疑問。なんであんな中途半端なところから始まるんでしょう?
以下ヒロイン別感想

・乙女さん
ED属性は「規律」
はいはい、約束約束。
とまあ、ネタバレ隠しもしないぐらいにハナっから落ちが見えてる人なのですが。
その落ちが秀逸だと思ったのはこれぐらいでしょうかw(フライングクロスチョップのこと)
物はやりようだと学ばせてもらいました。
てか、乙女さんは風呂場イベントといい、エンディングといい、ホントにお約束な人ですよね。
無難だけど悪くないルートですよ。

・カニ
強気属性は「悪友」
たぶん、メインヒロイン。
おそらく製作者はカニかなごみをメインとしているんだと思います。
ED曲にもありますが、ぬるま湯のような現状を破壊(打破ではなく)し、新たな未来へと進む物語ですね。
(ED曲のIsolationは『孤立』の意味。歌詞を考えると『独立』の方が意訳として適当かと思われますが)
この話はスバルによって話が進められるのでスバルが好きならお勧めです。

・なごみ
強気属性は「孤高」
メインヒロインその2。
カニルートが破壊されるのに対して、なごみルートは主人公の選択によって緩やかに崩壊していきます。
カニルートがしっかりと別れを見せているのに対してこちらはそれはないですね。
話を進めるのはフカヒレ。
私はフカヒレ話の進め方のほうがスバルより好きですね。
スバルよりもさりげないというか脇役してるなー、と。
同様の理由でフカヒレのほうがスバルよりもカッコいいとも思います。
まあ、ギャグ要員としても最高ですがねw

・姫(エリカ)
強気属性は「高飛車」
見た目派手な割にルートとしては地味ーな人。正直、よっぴーの前座です、私にとって。
未来を感じさせるエピローグ、及びエンディングには好感が持てるんですが、ちょっとその間の過程が唐突な感じがします。
エンディングとエピローグの間にまだまだトラブルがありそうというか。
高飛車さも前作、前々作の「姉、ちゃんとしようよっ!」シリーズの柊木要芽や「家族計画」の青葉のような感じではないので若干、強気属性にも納得がいかなかったり。
「高飛車」というより「我侭」って感じがします。「ゆのはな」のゆのはと同じような。

・よっぴー
強気属性は「???」
この娘はいつか単独で語りたいので今はオアズケです。
ただ、この娘は単純なヤンデレではなく、腹黒も混じっていますのでその辺は混同して欲しくなかったり。

・祈
強気属性は「天然」
えーっと、そんな人ヒロインに居たっけ?
いや、さすがに冗談ですが、そんぐらい人気が低いです。私も、この人のルートはあまり好きではありません。
こりゃ多分アレですね。エピローグがこの人は最悪です。
これじゃ緩やかなバッドエンドです。現在も無ければ未来も無く、怠惰というより堕落したな日常があるだけですから。

・幼馴染
誰も選ばなかった場合。つよきす2学期に繋がるらしいですが詳細は不明です。(やってないので)
これもある意味ゆるやかなバッドエンドですね。祈ちゃんほどではないですが。
ある意味では一番リアルなエンディングとも言えます。
堕落はしていませんが、怠惰な日常が続き、未来に向かわない……そんな感じです。

●最後に
飲茶さんから「地雷だ」とわざわざ言われたけど二学期どうしよう……
地雷扱いされたものほどやりたくなる、そんな困った子です。

konata.jpg「さて、今回は1930年代の欧州方面の話だったね」
kagami.jpg「確かその頃の日本で悪天候で大打撃を受けてそれが日本の造艦傾向に関わったんだったわね」
miyuki.jpg「そしてその頃欧州ではある意味ではドレッドノート並の衝撃を与えた艦が誕生しました。その名を『ドイッチュラント』といいます」
「なんか可愛い名前だね」
「欧州では『ポケット戦艦』、日本では『豆戦艦』とも言われた」
「別名まで可愛いね」
kagami.jpg「確かドイツって意味よね。ドイツ語で」
konata.jpg「そう。その名前の通りドイツで誕生した艦なんだよ、こいつは」

konata.jpg「まず、当時のドイツの状況を確認しておこうか。第一次世界大戦でドイツが負けたのは知ってるよね」
kagami.jpg「ベルサイユ条約で多大の賠償金を課せられて超インフレが起こったんでしょ」
konata.jpg「そう。で、そのベルサイユ条約なんだけど軍隊の方にも及んでいてね。その中でも海軍は戦艦6隻、軽巡洋艦6隻、駆逐艦12隻、水雷艇12隻っていう保有枠があって、しかも特に戦艦は『基準排水量は10000tまで、備砲は28.3cmまで』ってのがあったんだ」
「あれ? 基準排水量10000トンって言うと確かワシントン海軍軍縮条約の……」
「そう。条約型巡洋艦とほぼ同サイズ」
konata.jpg「もちろん、前にも言ったけど、このサイズでは20cm砲以上の大砲に対する対応防御(自艦の主砲を戦闘距離で撃たれて耐え得る防御)を得るのは不可能なんだよ」
「じゃあ、このサイズでの建造なんて……」
kagami.jpg「当然無理よね……」
konata.jpg「だと思うでしょ?」
「違うの?」
miyuki.jpg「いくつか手段はありますね。当時の戦艦を保有するほどの国力のない北欧諸国では排水量3000t~10000tほどの排水量で備砲は20~30cm砲程度の『海防戦艦』というものがありました。しかし、この海防戦艦という艦種は速力が15~23ノット程度と戦艦としても遅く、また航続距離は2000浬もあればいいほうでした」
kagami.jpg「2000浬っていったら……」
konata.jpg「約3700kmだね。日本列島の長さが3500kmだから北海道から沖縄までなんとか航海できる程度しかないってことだね。それも巡航速度のみで」
「海防戦艦というのはその名のとおり完全に沿岸防衛用の艦。正しい意味での『戦艦』ではない。少なくとも『主力艦』とは呼べない」
「じゃあ、ドイツが作ったのも海防戦艦だったの?」
konata.jpg「ところがドイツは諦めなかった。若干オーバーしながらもほとんど一万トンの枠で見事に強力な『主力艦』を作り上げてしまったんだ」
「それこそがドイッチュラント級装甲艦……」


『ドイッチュラント』級装甲艦
起工:1929年
竣工:1933年
基準排水量:11700トン
満載排水量:15900トン
全長:186.0m
全幅:20.69m
吃水:5.8m
出力:54000hp
速力:26ノット
航続性能:10000浬/20ノット(21500浬/10ノット)
装甲:舷側60mm、甲板40mm、主砲塔天蓋105mm、主砲塔前盾140mm、司令塔150mm
兵装:28.3cm3連装砲2基6門、15cm単装砲8基、8.8cm連装高角砲3基、37mm連装機関砲4基8門、53cm4連装魚雷発射管2基8門、水上偵察機2機、カタパルト1基
同型艦:ドイッチュラント(1939年リュッツォウに改名)、アドミラル・シェーア、アドミラル・グラフ・シュペー

「ドイッチュラントの大きな特徴はその長大な航続力。大戦中はその航続力を生かして通商破壊戦で活躍した」
miyuki.jpg「若干の排水量オーバーはしてるけど、とにかくドイツは作りきりました。これに慌てたのがフランスとイギリスです」
kagami.jpg「どうして?」
konata.jpg「スペックを見れば分かると思うけどドイッチュラント級の速力は26ノット。軽荷状態なら28ノットは出る。このスピードは当時20~25ノット程度の速力しか持たなかった各国戦艦が追いつかないことを意味してるんだよ」
miyuki.jpg「そして主砲口径は28.3cm砲。これは当時の条約型巡洋艦の主砲口径サイズよりも大きく、当然射程も長いです。つまり、ドイッチュラントは『戦艦に会敵したらその足で逃げ切り、巡洋艦以下に会敵したらその砲力でアウトレンジをもってして撃ち破る』ことが可能だと思われたのです」
konata.jpg「もっとも、当のドイツでは『弩級戦艦に砲力で負け、巡洋艦で速力で負ける』と言われてたみたいだけどね」
kagami.jpg「過大、過少評価なしに判断するのは難しいものなのね」
「ドイッチュラントの建造でイギリスやフランス、その他欧州各国は大騒ぎになった」
konata.jpg「でー、そのせいでフランスはダンケルク級戦艦を建造し、それに対抗する目的でドイツがシャルンホルスト級巡洋戦艦を作り、それに対抗するためにアメリカがアラスカ級大型巡洋艦を建艦し、それに対して日本が超甲巡を計画し……と、ドイッチュラントのせいで世界中が『ポケット戦艦ショック』とでも言うような事態に陥っちゃったんだよ」
kagami.jpg「はあ……すごいわね。たかだか3隻の軍艦で世界中がこんなに大騒ぎするようなもんなの?」
「ない」
kagami.jpg「え?」
「そんなこと、ない」
「んと……どういう意味?」
「ドイッチュラント級装甲艦にそこまでの価値はない。他国が騒ぎすぎただけ」
konata.jpg「うん、その通り」
kagami.jpg「えーっと……こなたさん? ちょっと説明してくれる?」
konata.jpg「なーに、これまでの授業のおさらいをすれば簡単なことだよ。そもそも日露戦争当時の装甲巡洋艦は主砲が20~25cm砲を4門、20ノットの速力で、自艦の主砲に対する対応防御があったんだよ。確かにこの時代の造船技術の発達には目を見張るべきものがあるけど、たかだが二十数年で自艦の主砲に対する対応防御を備えつつ30ノット近い速力を発揮して、主砲の門数を増やすなんてことが出来ると思う?」
「まあ、まともに考えれば……」
「無理……だよね」
kagami.jpg「つまり、条約型巡洋艦と同じ問題点を抱えてたってわけ?」
konata.jpg「その通り。ドイッチュラント級の装甲じゃまともな戦闘距離なら8インチ(20.3cm)どころか6インチ(15.2cm)でも危ないかもしれないね」
kagami.jpg「ちょ、ちょっと待って。じゃあ、なんでフランスやイギリスが恐れたの? 条約型巡洋艦と同じ弱点を抱えてるんなら条約型巡洋艦でも対処出来るんじゃないの?」
konata.jpg「それこそかがみんがさっき言ってた『過大、過少評価なしに判断するのは難しい』ってことだよ。つまり、フランスやイギリスなんかは『自分とこでは出来ないけどドイツならもしかして……』って判断しちゃったって事」
「ドイッチュラント級装甲艦は当時としては珍しくディーゼル機関を採用していた。ディーゼル機関は機関スペースが小さく出来るから全長が短くなって敵弾が当たり難くなる」
miyuki.jpg「しかし、ディーゼル機関は当時は信頼性が低く、これを採用したドイツが『それほどの』技術をもっているという説得力につながりました」
「へえー……」
kagami.jpg「つまりありもしない幻を恐れてた、と……そういうわけね。なんとも馬鹿馬鹿しい話ね……」
konata.jpg「でも、戦艦が『戦略兵器』であるという概念から考えればドイッチュラント級装甲艦ほど成功した艦も無いんだよ。もともと、ドイッチュラント級装甲艦の主敵は北欧諸国の海防戦艦やフランス・ソ連の弩級戦艦だったんだけど、それ以上の価値があるとフランスやイギリスにも思わせちゃったんだ」
「つまり大国に対しても充分な圧力になった、ってわけ?」
konata.jpg「うん、その通り」」
「そしてその圧力はフランスに対ドイッチュラント級装甲艦としての艦を作らせる。つまり、予算を余計に使わせる」
kagami.jpg「それが《『戦略兵器』としては大成功だった》ってことね」
konata.jpg「その通り。戦艦の実力は『殴り合い』だけじゃないってことだね」
miyuki.jpg「といったところで今回は終わりせていただきますね」
「次回はまた空母の予定」
konata.jpg「といっても、日本の軽空母、あるいは空母予備艦をやる予定だよ」
「空母予備艦?」
konata.jpg「なーに、次回になれば分るよ」
miyuki.jpg「それではまたお会いしましょー」

なお、以下のサイトよりアイコンおよび画像を使用させていただきました。
モアイ部さま
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好きな作家さんは藤子・F・不二雄、前田珠子、新井素子、吉岡平、横山信義、林譲二、橋本純あたり。
好きな音楽は海援隊などのフォーク、中島みゆきなどのニューミュージック。あとはLiaさんや新良エツ子さん、じまんぐさん、Sound Horizon(一期、二期両方)、Suaraなど。
歌じゃないのなら地中海風というかラテン風、イタリア風とテクノっぽいのやカントリー音楽。ピアノ音楽も好き。

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